L-112-7
アルジャンタン ラペット
 
 












年代:フランス製18世紀後期
材質:リネン
SIZE:幅 9.7cm 長さ 112cm

165,000
(¥150,000)

 
革命前の可憐な小花模様、アルジャンタンレースのラペット
ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋を ひらひら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画(「皇帝フランツ一世、女帝マリア・テレジアとその子供達」部分1756年)などでもその使われ 方を確認することが出来ます。また、キャップクラウンという半円形の頭飾りの下側に付ける飾りとしても使われました。フランスではバルブ(髭)と呼ばれ、 17世紀に登場した際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本につながった形が主流となりました。

隣町のアランソンと同様に、1665年に王立レース製作所が置かれレースの街として知られていたアルジャンタンで作られたニードルポイントレース、アルジャンタンレースです。元々アランソンよりもアルジャンタンの発祥の方が古いとされ、そのいちめんにブランケットステッチ(ボタンホールステッチ)を施したアルジャンタンのグランドを簡略化したものがアランソンといわれています。

こちらは一本につながった形のアルジャンタンレースのラペットで、グランドにいちめんブランケットステッチを施したアルジャンタングランド。ラペットの周囲に小花と植物模様、グランドに可憐な小花が飛ぶデザインです。その模様からは、当時、フランスで流行していた思想「自然への回帰」を思わせます。また、レースの種類は違いますが、当時の流行だったのでしょうか、同時代の
L-102-4のポワン・ド・パリのラペットL-108-7のヴァランシエンヌレースのラペットとどこか似た雰囲気があり、見比べていただくと興味深いと思いますます。

ブランケットステッチが施された繊細なアルジャンタングランドの気の遠くなるような緻密な仕事にも感心しますが(肉眼で見ただけでは、このグランドにステッチが施されているとはまったく分からないほど繊細です。)、可憐なお花模様にも心惹かれるレースです。

レースの縁や模様のアウトラインには、アルジャンタン、アランソンならではの白馬のしっぽの毛が縫い込まれ(これはレースがよれて形が崩れないようにしたためです。)、手で触っていただくと麻の質感だけではない独特のシャリ感を感じていただくことが出来ます。また、レースの端をルーペでご覧いただくと、テグスのような白馬のしっぱの毛を見ることも出来ます。

グランドに僅かなホールがあり、かすかに繊維から染み出た極小のしみが数点ありますが、この時代の「製品」としては非常に良好なコンディションです。何よりフランスのその時代らしさが感じられるラペットです。

18世紀のレースは非常に貴重になってきています。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

商品についてのご質問等は、お気軽に
メール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。
BACK
HOME