L-107-8
ヴァランシエンヌレース ラペット
 














年代:フランス製1780〜90年頃
材質:リネン
SIZE:巾10.5cm 長さ80cm

107,800
(¥98,000)

フランス革命時代のヴァランシエンヌレースのラペット
現在はフランス領とされるヴァランシエンヌですが、元々フランドル地方に位置し、フランスよりもベルギーの影響を色濃く受けた地域でした。17世紀半ばヴァランシエンヌはアントウェルペンのレースから派生したとされ、そうした経緯からも、ヴァランシエンヌはフランドルのレースに非常に近いボビンレースのひとつとされています。

ヴァランシエンヌの特徴としては、グランドがはっきりしていて編み目が緻密なこと、トワル(生地)の部分がフラットで均一な素材感が挙げられます。現在、一般に「アンティークのヴァランシエンヌ」として流通しているものの多くは、19世紀後期から20世紀初頭に作られたマシーンによる下着に付ける用途のレースですが、そのようなマシーンのものとは一線を画す上質なハンドのボビンレースです。

こちらは非常に糸の細い繊細なボビンレース、18世紀末、革命時代のヴァランシエンヌレースのラペットです。糸が細いだけに大変軽やかで、手に取るとまるで空気のよう。当時、「夏のレース」と呼ばれていたヴァランシエンウレースの魅力を存分に味わうことの出来るレースです。(夏の衣装に、このラペットが軽やかにひるがえる様はとても美しかったことでしょう。)

ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋をひらひら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画(「皇帝フランツ一世、女帝 マリア・テレジアとその子供達」部分1756年)などでもその使われ方を確認することが出来ます。フランスではバルブ(髭)と呼ばれ、17世紀に登場した 際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本につながった形が主流となりました。

こちらはそのまっすぐなフォルムと模様から1780〜90年頃のものと思われ、その可憐な小花模様からも当時の流行を感じ取ることが出来ます。ちょうどマ リー・アントワネットが王妃として、栄華を誇った時期と一致するレースです。当時は高貴な女性ほど長いラペットを身に着けたとされ、こちらも非常に長いサイズです。長ければ長いほど高貴な女性が身に着けたとされ、こんな可憐なレースは高貴な若い女性が着けたように思うのですが、革命後も、この持ち主が力強く生き抜いたことを願わずにはいられません。こうした小花模様は当時の流行で、同時代の
L-102-4のポワン・ド・パリのラペットとも非常に似通っていますので、見比べていただくと面白いと思います。

ヴァランシエンヌ特有のフラットな質感で、緻密に織られたダイヤ形のグランド、周囲にはごく小さなピコットがいちめんに付けられています。18世紀のレースにもかかわらずコンディションも抜群で、大変良好な状態で、周囲の極小のピコットも綺麗な形のままです。

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