L-112-9
ポワン・ド・ガーズ ラペット
(「東インド会社」のボックス付き)
 
 











 


年代:ベルギー20世紀初頭
材質:リネン
SIZE:ラペット本体 W 12cm×H 116cm
ボックス W 22.5cm×D 14cm×H 1.5cm

198,000
(¥180,000)

アール・ヌーボーの雰囲気が感じられるケシの模様、
緻密なポワン・ド・ガーズのラペット

両端にアール・ヌーボーの雰囲気が感じられる豪華なケシのお花、フランスの「東インド会社」のボックスが付属したポワン・ド・ガーズのラペットです。

このようなケシの模様のポワン・ド・ガーズは比較的珍しいもののひとつ。ケシはフランスのトリコロールの赤の色とされ、ギリシャ神話を由来とする「心の平穏」の花言葉。このラペットの持ち主はなぜケシのお花を選んだのだろうと、想像が広がります。レースで表現したケシのお花の薄い花びらは非常に写実的、ケシの茎や他のお花の葉っぱの表現などに、アール・ヌーボーの雰囲気が感じられます。ラペットの両端のパールが連なる透かしの部分は秀逸で、ネットの部分も際立って繊細、両端の縁には愛らしい小花模様で飾られています。レースで表現された植物ははっきりと特定しにくいものが多いのですが、どの植物かを探したり、当てはめたりするのは楽しい作業のひとつです。

昨今、このラペットのようなポワン・ド・ガーズの「製品」は入手しにくいもののひとつとなっています。僅かに繊維からしみ出したしみがあるものの、傷みの無い非常に良いコンディション。縁に付けられた極小ピコットが綺麗な形で残っていることから、一度も水に浸けられたことの無い、デッドストックと思われる大変良好な状態です。(ボックスは内側にしみと落書きがあります。)

ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋をひらひら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画(「皇帝フランツ一世、女帝マリア・テレジアとその子供達」部分1756年)などでもその使われ方を確認することが出来ます。フランスではバルブ(髭)と呼ばれ、17世紀に登場した際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本につながった形が主流となりました。

こちらのレースにはフランスの「東インド会社」のボックスが付属しており、「東インド会社」で取り扱われたものと思われます。「東インド会社」は東洋貿易のみの会社と思われがちですが、当時様々な商品を扱う総合商社として知られ、レースやカシミールショールなどの贅沢品も取り扱っていました。ふたの内側には、「1889年のパリ万博」でグラン・プリ、「1900年のパリ万博」では審査員でレジオンドヌール勲章シュヴァリエを授与、「1893年のシカゴ万博」でレオポルト勲章を授与したことが記されています。また、ブリュッセル、アランソン、カーン、ロンドン、カレー、ル・ピュイの支店所在地が記されていて、主だったレースの産地や販売先(ロンドン)にもれなく支店があったことが分かります。

ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

※ポワン・ド・ガーズ(ニードルポイントレース)については
こちらをご参照ください。

商品についてのご質問等は、お気軽に
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