L-106-6
タティングレースレース ドイリー
 



年代:フランス製20世紀前期
材質:リネン
SIZE:直径14cm

5,830
(¥5,300)

タティングレースとかぎ針編みの組合せ、チャーミングなドイリー
タティングレースは、ノッティングレース(結び目のレース)を前身とし、船乗りや漁師の網やロープワークから発展した可能性があります。また、古代エジプトを発祥とするとか、中国でその結び目が作られたとか、また一説には16世紀のイタリアで基礎的な技法ができたとされています。それまでボビンのように大がかりな道具を使わずに小さな舟形のタティングシャトル(Sewingのツールのページをご参照下さい。)を使うだけでだけで出来るため、17、18世紀頃には、馬車等での移動中に作られたりしました。イングランド女王メアリー2世は熱心なタティング愛好家で、1707年に書かれた英国の詩"Royal Knotter"の中に、「クイーン・メアリーが糸を結ぶ」と記述され記録として残っています。

18世紀には貴族の女性達の間でタティングレースは大変もてはやされ、女性の教養、女性らしいエレガントな手芸と考えられていたため、18世紀の女性たちは、装飾のあるシャトルを持って、肖像画を描かせる事が流行しました。(肖像画に描かれているシャトルは、実用には大き過ぎ、肖像画専用だったのではという説もあります。)18世紀半ば、タティングレースはイタリアからフランス、そして19世紀初頭にはイギリスへと移ります。

現代のイギリスのタティングレースの第一人者だったPalmer Pamによると1800年より以前はタティングに関する書籍がなく、19世紀になってイギリスでタティングレースのパターンブックが出版されたことから、タティングレースは19世紀初頭にイギリスで確立されたとしています。当時、産業革命が成功したイギリスでは多くの裕福な女性達がタティングレースを愛好しました。

また、結び目のない現代に近い技法のタティングレースの編み方を考案したイギリス在住だった手芸家リエゴですが、Mademoiselle Eleonore Riego de la Branchardiereが正式名で、アイルランド人の母と亡命スペイン系フランス貴族の父の間に生まれました。(本人はマドモアゼル・リエゴと呼ばれるのを好んだという記述を見つけましたので、本人の中ではフランス貴族の血にプライドを持っていたのでしょう。)若い頃から手芸に長けていたリエゴは18歳でかぎ針編みのパターンブックを出版し、生涯手芸に関する72冊の本を出版しました。また、彼女が出版したアイリッシュクロシェのパターンブックは、1845年から1852年に渡ったアイルランドの大飢饉の折、多くのアイルランドの人々を飢饉から救う手助けになりました。

そして、その著書72冊のうちの13冊はタティングレースに関するもので、彼女の考案したタティングレースは美しく耐久性があり、ヴィクトリアンの時代に大流行しました。(彼女の図案は現在でも書籍で目にすることが出来、特にパラソルカバーなどがよく知られています。エンジェルコレクションでも何度か扱ったことのあるパラソルです。1851年、彼女は第一回ロンドン万国博覧会に参加し、スペインのレースやその他の高価なニードルレースを絶妙に模倣したかぎ針編みで金賞を受賞しました。1855年、1862年、1872年の万博でも賞を受賞しています。そして、19世紀半ばには、結び目のない、ピコットの部分を編みつなぐ現代の技法に近いタティングレースを考案し、それにより、より多くの女性がタティングレースを作るきっかけになりました。また、ヴィクトリア女王の母ケント公爵夫人などロイヤルファミリーの御用手芸家としても活躍しました。1887年、リエゴは59歳の生涯を閉じました。


タティングレースにかぎ針編みの組合せ、やや小ぶりでチャーミングなどリーです。実際にドイリーとしてお使いいただける大変良好な状態です。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

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