〜前 編〜

■4月某日曇り
 買付け一日目。買付け初日は日帰りでロンドンから北に150キロ、田舎のフェアへ。田舎のフェアとはいっても、大きな展示会場で100軒以上のディーラーが出店し、高級なアイテムも沢山展示されるフェアゆえ期待度も高い。昨年来てみて見応えがあり、なかなか良い仕入れが出来たため、今回わざわざスケジュールに組んだのだ。朝、フェアに行くためにブリティッシュレイルの駅に到着すると、駅の電光掲示板の前には見知った顔が続々と登場!日本のアンティークディーラー皆がこのフェア目指してやって来たのだ。会場に着く前から緊張感が高まって、既に皆やる気満々だ。そういう私も競争相手がいるほど燃えてしまう。

 ここでは以前、ソーイングツールの出物があったはず。そんなことを思いながら会場へ急ぐ。果たしてどんなものが手に出来るか、緊張と期待が入り交じりながら早足で会場を歩く。早速見つけたのは、美しい瑪瑙ハンドルのかぎ針、マザーオブパールのピンディスクも。特にそれだけを専門に扱うディーラーという訳ではないのだが、なかなか趣味の良いセレクト。何も見つけられないフェアほど辛いものはないので、まずは買えるものがあってほっと少し息をつく。次に見つけたのは、香水瓶ふたつ。翡翠を模した色が綺麗なそれとバカラが作っていたそれはコレクターズアイテム。どちらも探していたメーカーの物なので嬉しい。

 お目当てのソーイング物を専門で持っているディーラーだ。何処よりも沢山の品揃えに心も踊る。テーブルにところ狭しと並べられたソーイングツール。が、今日はどれだけ目を皿のようにしても欲しい物が見えてこないのだ。苦し紛れに河村に「ねえ、何かあるかなあ?」と尋ねるのだが、河村も首を振るばかり。顔馴染みのマダムに気弱に微笑んで次のブースへ。

 広い会場の中をてくてく歩く。どれくらい歩いただろうか、ガラスケースの中にひょっこりパレロワイアルのシャトルを発見。扱っていたディーラーにとってはまったく専門外の物なのだが、美しいと思う気持は一緒なのだなぁ、と納得してしまった。

 ここではジュエリーよりも工芸品を扱うディーラーが多く出店しているため、ガラスの香水瓶を展示しているディーラーが多い。手のひら大から少し大振りなものまでヴィクトリアンの香水瓶は手に入れたいアイテム。そう思って一生懸命探すのだが、なかなか欲しい物と出会うことが出来ない。私が少し量感のある丸いカットグラスの香水瓶を指し「こういう形のはどう?」と聞くと、あまり芳しい顔をしない河村。このヴィクトリアンの香水瓶は私の好みで以前にも扱ったことがある。「え?どうして!?こういうカットグラスも綺麗よ。」と畳み掛けると、「だってこれって手榴弾みたい。」だって。手榴弾?そんなこと思ってもみなかった。へ〜、そういう考えもあったのね。河村とはほとんど趣味が一致していたと思っていたが、改めてお互いの趣味の違いが浮き彫りにされた気がした。結局、手榴弾型もその他の形も気に入るものがなく今回は見送り。こんな沢山のアンティークがあるのにどうして欲しい物はないんだろう、だんだん不条理な気分に。

 広い会場を二周目に回った時のこと、ガラスケースの中に薔薇とリボンのグラヴィールがあるのが目に入ってきた。よく見ると、化粧瓶やクリームポットが何種類もあるセット。とても私好みなのだが、「こんな何種類もいらないよなぁ。」と凝視していると一つ一つに値段が付いている。ということは、これはセットではなくバラ売り!早速一番変わった形の物を出して貰い、状態を確認して入手。
 あまりジュエラーは出ていないこのフェアだが、小さなルビーとパールに彩られた豪華で可愛いフレンチペンダントを発見。けっして安い金額のものではないのだが、フラワーバスケット柄がチャーミングで、そのまま立ち去るには勿体無く、見せて貰うと…。一見とても素敵に思えたのに、ルーペを通して見ると、欠落したらしいパールはボンドで貼り付けてあるし、パール自体が無くなっている箇所も。「あらら〜。」という感じで呆れて見ていると、マダムはまるで追い打ちをかけるように「パーフェクトよ。」と一言。その言葉を聞き流しながら、"Thank you."とだけ返して立ち去った。

 終わりが近くなってきた。そろそろ帰る時間を気にする時刻だ。と、そんな時、目に飛び込んできたものが!今日もいくつか目にしたものの、状態の悪さから入手に至らなかったシルバーのはさみ。しかもこれはケース付きだ。ハンドルの部分の立体的な細工も素晴らしい。早速見せて貰ったのだが、ケースにぴったり入っていてはさみを取り出すことが出来ない。見せて貰ったマダムに「出して。」と頼むと、彼女は何を思ったのか(たぶん老眼でケースに入っているのがよく見えていなかったもよう。)ケースに入ったままはさみを開けようとするではないか!「キャー!壊れる〜、ヤメテ〜!!」と思わず日本語で叫んでしまった。私達の声に驚いたマダムはそこでようやく気付き破壊行動を中止。無事壊される事なくケースから取り出し、私達の手元に。はさみそのものもよく切れる良好な状態、あぁ壊れなくて本当に良かった。最後にはさみを手に会場を退散し、ロンドンへと帰路についた。今日も一日長かった、電車の中では「イケナイ、イケナイ。」と思いつつ二人して爆睡。(海外では、列車や地下鉄の中の睡眠は防犯上厳禁です!どうぞご注意を。)

4月のロンドンは様々な花が満開で春爛漫。この画像のようなライラックも小さな可愛い花を咲かせていました。パープルのライラックが一般的ですが、白いお花も清楚で良いですね。

フラットの側の街路樹も白いお花がいっぱい。画像では分かりにくいのですが、よくよく近寄って見てみると八重桜のようです。煙るように白い八重桜です。

■4月某日曇りのち雨
 昨日は終日遠くに買付けに出掛けたのと、時差ボケから夕食も食べずに眠ってしまうという大失態。帰って、疲れからベッドに横になったらそのまま眠りこけてしまい、むっくり起きると「しまった!」午前0時だったのだ。その時間に夕食を食べると、今度は眠れなくなって、時差ボケが治らない。仕方なく、夕食抜きで眠ったのだ。
 そんな事情で朝からムシャムシャしっかり食べて外出。今日はまずジュエリーの問屋街で付属品やディスプレイ用の小物を調達するのだ。

 ロンドンのジュエリー業界を牛耳っているのはやはりユダヤ人。ここジュエリーの問屋街もキッパと呼ばれる小さな帽子を頭にのせたユダヤ人の姿を見ることが多い。もちろんアンティークジュエラーにもユダヤ人は多く、皆勤勉、その仕事に関するそつのなさは他のヨーロッパ人とは一線を画している。
 まず向かった先はジュエリーパーツ全てが揃う問屋、9Kでも18Kでもシルバーでも、ここに来ると無いものがないのだ。日本では手に入らないパーツもここで手に入れる。備えあれば憂いなし、持っていればとりあえず安心なのだ。貴金属のパーツと石全般を扱うここ、扱うものが扱うものだけに、このパーツ屋のセキュリティーはとても厳重で、二重扉をくぐるとやっと店内に入ることが出来る。日本の銀行のように番号札を取って、ひとりひとりカウンターで個別にリクエストする仕組みになっている。そしてシステマチックに並べられた何千種類とあるパーツの中から目的のものを出して貰うのだ。今日の担当の女の子は赤毛でとてもフレンドリー、日本では手に入らない9Kパーツをここで調達し、まずはひと仕事を終えた。

 次に向かった先は、同じく問屋街にあるジュエリーケースやディスプレイ用品を扱う店舗。日本ではそういった問屋にはよく足を運ぶ私達だが、ロンドンでは今まであまり機会がない。今回はそうした問屋へも潜入。ひっそりとした看板だけを目印に、恐る恐る地下への階段を下りていくと、何のことはない日本と同じようなごく普通の問屋の風景が広がっていてほっとする。
 大小様々なジュエリーボックスや、ネックレスやイヤリングを飾るための色々なディスプレイ用品、値札や包装材、ここに来ればイギリスでもすぐにお店が出せるような、そんな雰囲気で楽しい。今日は大小のジュエリーボックスとネックレスをディスプレイするためのトルソーを入手。きっと世界各国、様々な人種の顧客を持つだろうお店のマダムは、オリエンタルの私達にも、眉ひとつ動かすことなくごく普通に接客してくれた。

 午後はロンドン市内のアンティークモールに箇所をチェックすることになっている。河村とふたりバスでオックスフォードストリートに出掛け、軽く食事を済ましアンティークモールへ。

バスの車窓から見えるオックスフォード・ストリートに面した“James Smith & Sons”は老舗の傘店。創業は1830年ですからなんとジョージアンの時代(!)、店舗にも「大英帝国」の歴史が感じられます。というか、店舗自体がアンティークのようですね。

ロンドンバスの二階の一番前、通称「かぶりつき」は私達のお気に入りの座席。河村が私愛用のカメラで車内を映すミラーをパシャ!

 まずひとつめのアンティークモールへ足を踏み入れると、いつもは静まりかえっているのに、今日はひとけがあってなにやら賑やかな雰囲気。よくよく見渡すと、ジュエリーを専門に扱う日本人ディーラーが何組か。皆、ゴールデンウィークに予定されている東京のホテルフェアの前に買付けに来た様子で、高価なジュエリーを商談中。そんなディーラー達とは仕入れるものが違う私達、私達が立ち寄ったのは、レースのディーラーとコスチュームを扱うディーラー、そして個人的な趣味でお人形のディーラー。ここで可愛いお人形を見るのは買付けの癒しのひとつ。ウィンドウ越しにお人形を眺めつつ、「あぁ、可愛い!なんて可愛い!」と呟いていると、河村に無理矢理ウィンドウから引き離されるのだ。でも、今日はそんなお人形のディーラーの元で可愛いお花をget。オールドローズの薔薇のお花は雑貨と一緒に飾るときっと可愛い!

 アンティークモールを出ると、いつものようにブランドのショッピング街を抜け、1819年竣工(ここもジョージアンだ!)の歴史あるバーリントンアーケードへ。ここにはアンティークジュエリーのショップやロレックスの腕時計の専門店、王室御用達のペンハリガン、カシミヤの専門店などなど、高級店ばかり。忙しい合間にここに来て束の間のウィンドウショッピングするのがロンドンでの楽しみにひとつ。その店構えの古さから、ヴィクトリアンの人物になってそぞろ歩いているような気分がして楽しい。今日も、果てしなく高いであろう高価なアンティークジュエリーをガラス越しにじっくり眺め、「こ、こんな大きなダイヤのブローチ、いったい誰がするの?」と独り言。ちなみにアーケードの一番端は、マカロンで有名なフランスのラデュレ、このアーケードを抜けた向こうにはフォートナム&メイソンもある。今日は、アーケードを出てまたバスに乗り、もうひとつのアンティークモールへ。

 もうひとつのアンティークモールだが、こちらはまったく期待せず。でもロンドンへ来たら一応押さえておかないと。そんな気分で毎回仕方なく出掛けるのだ。そんな私達の気分そのままに、もう夕方のモールは閑散としている。「ここだって10年前は沢山のディーラーがいて賑わっていたのにね。」そんな会話を河村と交わしつつ、ほとんど義務感でモール内を一周。そうそう、私が駆け出しだった頃は、ここにも沢山の美しいものがあって、でも高価で買えなくて、どれも良い物ばかり、何でも高嶺の花に見えたのだっけ。今では残念ながらそんな面影は見当たらない。本当にこの10年、イギリスのアンティーク事情は激変した。有名だったロンドンのいくつかのマーケットは風前の灯火となり、今では足すら運ぶことはないし、田舎でのフェアも同様の有り様だ。ワクワクドキドキしながら、イギリスで物を探していたあの頃が懐かしい。雨降りの中、淋しい気分のままバスに乗ってフラットへ帰宅。

イギリスもフランスもイースターのホリディの真っ最中、今回はイースターの直後だったせいか、あちこちにウサギがいっぱいでした。バーリントンアーケードの中のシューズショップで。

雨に濡れるロンドンの街。この日のロンドンは終日雨模様。肌寒く陰気な感じはまさにブリティッシュウェーザー!

■4月某日曇り
 午前4時半起床!カーテンを開けてまだ薄暗い空を仰ぎ見ると、今日は曇っていても雨は降っていない様子。よかった〜!!雨じゃない!イギリスの買付け最終日の今日はなかなかハード。昼間で買付けをし、一度フラットに戻って、荷物全部を持ってユーロスターでフランスへ移動なのだ。フランスへ着くのは夕方遅く、今日も長い一日だ。

 早朝からバタバタとスーツケースに荷物を詰め、急いで朝食を済まし、少し厚着をして(早朝のロンドンはまだ寒いので。)フラットを出発!冬とは違って午前5時過ぎには外がもう明るいのもありがたい。地下鉄が動く前に、フラットの近所でタクシーを拾って、きょうもしゅっぱ〜つ!今日も何人かアポイントを入れているディーラーもいる。はて、今日は何が出てくるか?

 まず最初に立ち寄ったのは、いつも早くから仕事をしているマダムのところ。ちょっとしたゴールド細工やシールが彼女の得意アイテム。たまにツボにはまるものを持っている彼女、今日はどうだろうか?ここしばらく出物がなかったシールに、面白い物を発見。ひとつは猫好きな方へ猫のシール、もうひとつは音楽好きな方へバイオリンのシール。猫のシールは、古いことわざも入っていてとても興味深い。猫好きな私も嬉しい。

 次に早朝から仕入れたジュエリーは、細かなダイヤで出来たリボンのデコレーションがとても繊細なもの。朝早くから、買付けのディーラーを持っていた彼女が、おもむろに出して見せてくれたその細工に、そのまま置いて離れがたく、「私が日本へ持って買えるしかないでしょう!」と腹をくくってしまったのだ。すご〜く繊細な細工がいかにも「フレンチ」という感じ。早くお客様にお見せして、楽しく意見を交わしたいもの。

 もう一軒、馴染みのディーラーの所へ寄ると、彼の姿は影も形もない。周りの人に「どこに行ったの?」と尋ねると、「彼は今ホリディだよ。」との返事。そうだった、会う度にホリディの話を聞かせてくれる彼は、それこそしょっちゅうホリディで留守なんだった。どうやらイギリスからだと、ヨーロッパのあちらこちらへ安く行かれるパック旅行があるらしい。私のそんなふうに買付けだけでなく、どこかへ旅行に行ってみたいなぁ。彼と会えなかったのは残念だけど、また次の機会には会えるはず。

 もうひとり、レースのディーラーは最近トルコに行ってきたばかり。暖かいトルコが大のお気に入りの彼女は、年に何度も足を運んでいるらしい。「で、トルコはどうだった?」と挨拶がてら尋ねると、「そりゃ、もう素晴らしいのよ!」と楽しかったホリディを思い出してか大興奮。みんな、もう、旅行好きなんだから!確かにロンドンのこの薄ら寒いどんよりしたグレイの空の下で生活していたら、太陽を求めて旅に出るのも分かる気がする。で、遊びに行っていた彼女のところからは今回めぼしいレースはなく、あっけなく退散。「仕事もしっかりしてほしい!」というのが、東洋の果てからやってくる私たちの強い願いだ。
 が、もうひとり馴染みのレースディーラーのところからテネリーフのレースが出てきた。テネリーフはニャンドゥーテによく似た同じくラテンの国で作られたレース。探されていたお客様のことを思っていたら、ひょっこり目の前に出てきたのだ。今まで何度か目にしたことがあるテネリーフだが、「これ、いいかも!」と思えるものは初めて。お客様にも気に入っていただけると良いなぁ。

 前回、フレンチのネックレスを譲ってもらったジュエラーを、「まさか、また今度はないよね?」と期待せずに訪れると、なんと、また私好みのネックレスがあるではないか!こんな事って、ありそうでなかなかないこと。どうも、彼女自身もこういうものが好みらしい。すぐに見せてもらうと、これもまた素敵。あぁ、やっぱりフレンチのジュエリーっていいなぁ。今日はフランスものが目につくようだ。が、ふともう一度ガラスケースへ目を落とすと、エナメルの小さなハートが、たぶん大きなジュエリーが好みのディーラーだったら、小さくて気付かないかもしれない。こちらも見せてもらうと、これはイギリスらしく、こんな小さくても仕掛けがあるのが面白い。自分が気に入ったものが出てくると、すごく嬉しくて、疲れも吹っ飛んでしまう。ルンルン足取りも軽く次のディーラーの元へ。

 いつもは気にしたことのないガラスケースの中に、お目当ての香水瓶を発見。それは、先日田舎のフェアであれほど探しても気に入った物の無かった例の手榴弾型パフィームボトル、通常の物よりもひとまわり小さなサイズが可愛い。こんな小さなサイズだったら、河村もウンと言うはず。シルバーのキャップと全体に入っているカットが美しい。「バーミンガム1907年」の刻印を見つけ、「なかなか古いじゃないの!」と満足。時代的にはエドワーディアンだけれど、典型的なヴィクトリアンスタイルだ。

 もうひとり、今日尋ねる予定のディーラーが。が、しかし、彼女もまたホリディで今日は留守。ホワイトワークのレースボーダーや生地、コサージュなどの細々した物を扱っている彼女、「留守番の女性がいるから、あなたの欲しい物は彼女に預けておくわ。」と言われていたものの、果たして何が出てくるのか。いたいた、きっと彼女がお留守番だ。「オーナーはホリディなのね。」と話しかけると、「そうなのよ。ギリシャに5週間出掛けたわ。」ですって。え!?5週間もホリディなんて信じられない!聞けば、ロンドンからギリシャまでは飛行機で3時間半ほどで行けるらしい。羨ましい気持ちは置いておいて、せっせと出して貰った新しいストックの中から品物を選んでいく。前回会ったときに、さんざん「こういう物を!」とリクエストしておいたお陰で、オーナーの彼女は私の欲しい物をよく理解して的確に集めておいてくれたようだ。リボンやブレードなど、普段だったらフランスからしか出てこないような手芸パーツが出てきた。あらあら、イギリスからもこんな物が出てくることがあるのね。こんなふうに仕入れ先が広がることは、私達にとってとてもありがたいこと。今回はリボンやブレードなども色々、乞うご期待。

 歩き回ること数時間、そろそろ時間が押してきた。今日はセントパンクラス駅から出る2時過ぎのユーロスターに乗らなければならない。朝からずっと歩き続けたのと、物を選ぶため集中力を使い続けたのとで、疲れはピークに達しているけれど、休むのはユーロスターに乗ってから。タクシーで一旦フラットへ荷物をピックアップに帰り、そのまま駅へ向かう。タクシーのシートに身を任せながらフ〜っとため息。あぁ、今回は短いスケジュールの中遠出をしたから目まぐるしいイギリスだった。でも、まだ買付けは始まったばかり。これからパリへ向かって、パリで何日か過ごした後、今回はベルギーまで足を伸ばすのだ。期待する物と出会えるよう祈りながらも、バランス良く買付けするのも大切なこと。今まで何度買付けに来たのかもう数え切れないほどなのに、毎回駆け出しの頃のような新鮮な気持ちも、いつも心のどこかに存在しているような気がする。

 必死の思いで買付けを済ませた後、ユーロスターの中の私達は言葉少な。それぞれ文庫本を取り出し読書。ロンドンでの仕事を終えると、なんだかとても解放された気がするのはなぜだろう?

 ロンドンは曇りだったのに、たどり着いたパリは霧雨。いつもはロンドンより若干暖かいパリなのに、今日に限ってはロンドンよりも肌寒い。ユーロスターの着いたパリ北駅からはいつものようにタクシーで泊り慣れた左岸のホテルへ。顔馴染みのレセプションの彼に「やぁ、また来たね。」とニッコリ笑顔で迎えられてほっとする。部屋へ荷物を入れて身軽になった後は、今晩の夕食の買い出し。近所のスーパーへ水やら食料やらを買いに行くのだ。結局、ロンドンに来ても、パリに来ても、そして自宅のある名古屋にいても、夕方していることはさほど変わらない気がする。ここパリでは、私はいつものパン屋でバゲットサンド、河村はお気に入りのパックに入ったクスクスを調達、そしてやっと行きつけのキャフェでひと休み。このいつものキャフェの椅子に座って、やっと「パリへ来た!」と実感できるのだ。

■4月某日曇り
 パリでの買付け第一日目。今日も朝から夕方までスケジュールはびっしり。連日の移動と買付けでそろそろ疲れもピークだが、そんなことは言っていられない。日本にいるときだったらもっと疲れを感じるだろうに、買付けに来ていると、毎日どんな物と出会えるか、自分達の好みの物はあるのか、というワクワク感と緊張感でさほど気にならないから不思議だ。カーテンを開けると空は薄曇り、「やった〜!雨は降っていない!!」ホテルの部屋の都合で、ゆうべは一晩だけバス無しの部屋に泊り、今日から6泊はバス付の部屋に変わるため、またもやすべての荷物をスーツケースに詰め、一旦レセプションに預けなければならない。小さなエレベーターにスーツケース3つと大きなナイロンバッグ1つを詰め込み(狭いエレベーターの中でのこと、スーツケースの上にスーツケースを載せ、まさに「詰め込み」という表現がぴったり。)階下へ。これだけで本当に一苦労なのだ。でも、泊まり慣れているこのホテル、長年愛用していることに加えて、ここサンジェルマン・デ・プレ界隈ではルームレートが格段に安いため、ここ以外に泊ることなど考えられないのだ。今日も大きな買付けバッグを手にまだ少し寒いパリの街へ。

 今日はまずアポイントを取っておいた彼女の元へ。この1月に赤ちゃんを産んだばかりの彼女、11月の買付けで会った時には大きなお腹で「そろそろ産休よ。」と言っていて、1月中頃に赤ちゃんを産んで、3月から仕事を始めているらしい。メールでそこまで知らされた際に、まず「え?もう仕事しているの!?」とびっくり、そして彼女と今回会って、本当に仕事をしている(新しい商品が入荷している。)のでさらにびっくりしてしまった。
 お母さんになったせいか、以前より少し大人っぽくなった彼女、「赤ちゃんは?」と聞くと、「まだまだ彼は家で眠っている時間よ。」と笑っていた。私が彼女に赤ちゃんが出来たのを知ったのは去年の秋口、それまでは彼女が独身だと知っていたし、彼女の両親も見たことがあるし、ほとんど記憶に残っていないながらもパートナーらしき彼の姿も見たことがある。が、赤ちゃんが出来たことは聞いても、姓も変わらないし、彼女が結婚した素振りが全くないので、今さら「結婚したの?」とも聞けずにいるのだ。まぁ、生まれてくる子供の半数以上が結婚していないカップルから生まれてくる現在のフランスでは、結婚しているかどうかなんてさほど重要なことではないのかもしれない。結婚の代わりにPACSパックス(連帯市民協約、結婚と同じように税制上で法的な優遇を受けられる。同姓のカップルにも適応される。)を選ぶカップルも多いので、離婚するのがとてつもなく大変な結婚よりも(フランスの離婚は必ず両側が弁護士を立てなければならない。時間もお金もかかるのだ。パリに限っていえば結婚した2組に1組は離婚というデータも。)、そちらを選ぶケースが多くなっているらしい。

 早速彼女が「ニューストックよ!」と出してくれた箱からひとつひとつ取りだしていくと…可愛いボネやロココの付いたレース、プチポワンのパーツ、なんだか可愛いものがいっぱい。見るもの見るもの、渡された私用のボックスに入れていく。花嫁の姿が描かれた大きなボックス、「ん、何だ?」と中を空けると、グラス・シェイドに入れるようなウェディングのお花の飾りが。こんなボックス初めて見た。ふたの花嫁の姿から19世紀末の物ということが分かる。こんな紙の箱、よく100年以上も壊れることなく現代まで生き延びてきたものだ。これも私用のボックスに入れた。

 次は紙ものの専門店、以前にもファッションプレートを譲って貰ったことがある太ったマダムは、いつも機嫌が良く、まるで歌うように節を付けてしゃべる。少しばかり魚屋さんや八百屋さんのノリかも。今日出てきたのは、今まで扱ったことのある“Journal des Demoiselles”とはまた違った“La Mode Illusree”、絵面がやや大きいこともあって非常に細密、レースや衣装のデコレーションの様子がとても繊細に描かれている。今日はその中から特に気に入った何枚かを選んだ。

 お腹のすいた私は必ず買付けの際に買ってくるあられ「味ごのみ」を歩きながらムシャムシャ。(日本ではそんなことはしません!)私の買付けバッグの中には、いつもこの「味ごのみ」とのど飴が入っている。お行儀が悪いとは分かっているのだけど、空腹に勝てない時、この「味ごのみ」は私の強力な味方だ。しかも、日本から買付けに来たアンティークディーラーはかなりの確率であられの小袋を持ち歩いていることは周知の事実。そんなところで、「あぁ、やっぱりみんな日本人なんだなぁ。」と再確認。やっぱりみんな「フランスが好き!」なんて言っていても、よく馴染んだ醤油味が一番なのだ!
 その後、キャフェでパン・オ・ショコラを食べながらひと休み。これが今日の朝食、もう昼近いというのに、今日は昼ご飯を食べる時間はあるのだろうか?

 一度ホテルへ荷物を置きに帰った後は、次の場所へ。バスを乗り継ぎ到着、早速いつも足を運ぶジュエラーの所へ。いつも必ず立ち寄るジュエラーの彼女は、ガラスケース一本の中にすべてのジュエリーを入れたコンパクトな商売。が、何かしら私達が気に入る物を持っているので、立ち寄らずにはいられない。今日はトワ・エ・モア、二粒のダイヤが美しいリングを見つけた。実は、この後ベルギーで知り合いのジュエラーの元へ行く約束になっているのだけれど、このダイヤは離れがたい。倍率の高いルーペでよくよく状態をチェックし連れて帰ることに。

 前にも一度大量のレースを見せて貰ったことのあるアンティークディーラーの初老のマダムとムッシュウ。その時には、たまたま訪れた時に先客がレースを広げていて「え?こんな所にレースがあるの!?」と、びっくりしたものだった。レースはいつも大きな箱の中にしまわれているため、十数年も前から見知っている彼らがまさかそういうアイテムを持っているとは思っていなかったのだ。そのすぐ後にも「レース見せて。」と立ち寄ったことがあったのだが、その時はまったく新しいストックは入っていなくてバツ。買付けは、魚の漁に出るのと同じで、魚が育つまでしばらく時間を空けなくてはいけないのだ。つまり、新しいストックが入るまで辛抱強く待たなければいけないということ。果たして今日は如何に?
 早速レースの大箱を出して貰って、一片一片取り扱いに気を付けてレースを広げていく。目当てのニードルのものはないけれど、状態の良いブリュッセルアプリケのレースはとても安い。ハンドのレースにお目にかかるのも難しい今日この頃、新しいレースとの出会いはとても嬉しい。「ニードルのレースはないの?」と尋ねると「Non!」と有無を言わせない口調でマダムが言い切ったので、「やっぱりニードルのレースはなかなか無いんだよね。」と河村と言葉を交わす。今日はブリュッセルアプリケのレースを、そして、ふと目を向けた先にデッドストックらしいシルク地を発見。(一応、私もアンティークディーラーの端くれなので、遠くからでもデッドストックだということが分かるのだ!笑)マダムに取って貰う。それはなんとエンジェル柄のシルク地。クリーム色ベースだから派手な色合いではないけれど、プリント地ならともかく、シルク地でエンジェル柄のものは初めてだ。広げてみると状態も上々、こちらも一緒にいただくことに。
 帰りがけ、目を落とした先にピンクのロココの付いたボネがあったので(ボネ自体は大人用であまり状態が良くなかったのでパス。)、「こういうのないの?」とロココを指し示すと、「う〜ん。」と考え込んでいたマダムが、「家にある。」と言う。「じゃあ、明日も来るから持ってきて。」とまた明日会うことに。イギリスやフランスでも、夫婦でアンティークディーラーの仕事をしている人達はとても多い。細身のムッシュウが、でっぷり太ったマダムの世話をかいがいしく焼いている姿がなんだか微笑ましい。

 いつも必ず立ち寄る女性ディーラー、彼女の姿はドローの競売所へ行けばしょっちゅう目にすることが出来る。やはり10年以上前から見知った彼女の品揃えは「美しい」のひと事。シルバーやグラスなどのテーブルウエア、しかも大きなアイテムが中心のため、実際はなかなか買付けに至らないのだが、そのセンスは私の知っているディーラーの中でも際立っている。いつも商品の並んだウィンドウを「あぁ、なんて綺麗なの。」と河村と一緒に眺めるのだ。グラヴィールの施された大振りな水差しやベース、状態も良く美しい物ばかり。「私もいつかこんな物を扱いたいなぁ。」と思わせてくれる数少ないひとりだ。そんな彼女の小物を入れているガラスケースの中に、今日はすずらん模様のとある物を発見。アイボリーのそれは、まず普段の彼女では扱わないようなソーイング小物。「どうしてここに?」と思いながらも見せて貰う。「これはソーイングに使うもので…。」彼女の説明を「知ってる!知ってる!」と遮った。たまたまオークションで出たものなのだろうが、「彼女がソーイング小物を選ぶとこうなるのね。」という美しいアイテムだった。もちろん今日はそれを入手、また次回も何か欲しい物があると良いなぁ。

 そんな買付けを何軒も済ましているうちに時計は午後3時をとっくに回り、もうじき4時。「後は明日、もう今日はここまで!」とやっと昼食をとりにいつものキャフェへ入った。近所にはいくつもキャフェがあるのに、まるで自分の縄張りに忠実な猫のように、私達はいつも同じ所に入る。こんな時間に食事をする人なんて誰もいない。そんな私達の空腹を知ってか知らずか、キャフェのマダムはいつも同情の目差し。河村は飽きもせず、毎回ここのパリ風サラダ(パリ風なんて名前が付いているだけで、その実は、サラダ菜の他にハムとコーンにチーズがいっぱい入っただけのサラダ。)、私は赤ワインと一緒に今日のプラ・ド・ジュール(定食)牛肉の赤ワイン煮ブッフ・ブルギニヨン。フランスでは珍しくも何ともない、お袋の味ともいえるブッフ・ブルギニヨンなのだが、これが空腹のお腹に染み渡る美味しさ。赤ワインに、この煮込みを食べながら、ひとり「美味しいよう、美味しいよう。」とうわごとのように呟く私だった。

 帰りはバスとメトロを乗り継いで。その日のメトロの中で私の目と鼻の先に座ったムッシュウは、首から許可証らしきものを下げたマジシャン。(パリのメトロの大道芸人は許可制で、いちおう交通局がオーディションをして営業許可証を発行しているらしい。)その手元にはひと組のトランプがあり、まるでひとりでカード遊びをするように、誰にも何も言わずにひとりでカードを繰っている。裏側を向けて広げたトランプから抜き出した一枚はなぜか必ずハートのクィーン、そのクィーンをまたトランプのどこかに入れ、また広げ、そしてまた抜き出すと、またもやハートのクィーン!どこからカードを抜いても、永久にハートのクィーンしか出てこないのだ。でもたまにトランプを表に向けて広げると、なんのことはないごく普通のトランプ。思わず目を奪われてしまって、目をこらしてよ〜く見るのだが、どうしてもそのシカケが分からない。メトロの中で大道芸人のミュージシャンに出会うことは少なくないけれど、こんな物静かなマジシャンは初めて。まるで子供のように夢中になってしまった。

雨上がりのパリの朝、買付けに出掛けるためにバス停でバスを待つ私達。この映画ポスターは4月22日公開のココ・シャネルの映画“Coco avant Chanel”。パリで見て帰りたかったのに、今回はかなわず残念。


買付け先で、こんなたわわに生けられたライラックを発見。この時期といったら、ライラックと藤、そしてすずらん。フランスの春を感じさせられる一コマです。

■4月某日晴れ
 とりあえず昨日色々仕入れられたので、気分は一段落。河村の希望で、今日は朝からゆっくり近所のPAULポールで朝食とってから出発することに。日本にもあちこちに出来たポールは、パリの街を歩いていても、次々と目に付くパンのチェーン店。でも、19世紀末から続く老舗で、それぞれのお店に工房があって、焼きたてのパンが食べられるのが売りだ。今ではロンドンにも進出していて、最近はロンドンのハイストリートにもぞくぞくショップが出来ている。中には、サロン・ド・テ・を併設しているところもあって、そこで売っているパンやケーキはもちろん、朝食や昼食のメニューもあって、地方都市に行った際の食事には便利、ここなら間違いなく美味しいパンが食べられるからだ。

 ホテルからも程近いビュッシ通りのポールは広いサロン・ド・テも併設、19世紀風のしつらえのエレガントな雰囲気のそこはいつも観光客で賑わっている。サロン・ド・テで朝食といっても、ここはとてもリーズナブル。キャフェでプティ・デジュネ(朝食のセット)を食べるのと変わらない金額で、ちょっぴり優雅な気分で食べられるので、忙しくない朝はここで食べるのを楽しみにしている。今日も昔ながらの製法で作られたフルート・アンシェンヌが美味しい。(坂崎が嬉しげにパンを食べている姿は河村のブログ「しのぶ写真館」でもご覧いただくことが出来ます。)

 美味しい朝食を食べて満足をした後は、オペラまで出向いて両替。そして買え軍資金を持って、また今日も昨日の買付けの続きをするのだ。と、買付け先に向かうバスに乗り込むと、すぐ前の座席のマダムとムッシュウが私達にニッコリ笑いかけている。「ん?誰?」とサングラスを外してよく見ると、それは昨日ロココを持ってきて貰う約束になっていたマダムとムッシュウのふたり。「えっ〜!どうして〜!」と驚きの再会。まさかこんなところで出会うとは。彼らも今から仕事場に出勤なのだ。

 マダムとムッシュウには、「後で行くからね。」と声を掛け、まず今日のお目当て私達が「アンティークの問屋」と呼んでいる凄まじい量の在庫を持ったマダムの元へ。ここで、長い時間を掛けて、お花や布小物などを選ぶのだ。ここでは日本から持ってきた私の白手袋が大活躍。なぜって、ここにあるものは100年のホコリが付いたものばかり、いつもここで物を選ぶうちに手が真っ黒になってしまい、お花に付いたワイヤーで手にケガでもしようものなら、そこから破傷風にでもなりそうなのだ。大量の在庫といっても、そのほとんどは半分壊れていて状態が悪かったり、好みではなかったり、私達には必要のない物ばかり。その有り様は、まるで大海から真珠を拾うようなものなのだ。こんなところでは焦らずじっくり腰を落ち着けて探すのがポイント。河村と手分けして、ひとつひとつ丁寧にチェックしていく。顔馴染みのマダムから、「めぼしい物を入れるためのバスケット」を渡され、その中にお花やリボンなど選んだ材料を入れていく。今日見つけた出物は、帽子に付いていただろう薔薇のブーケ、プチポワンのパーツも可愛い。ホコリとの戦いとはいえ、日本に帰ってきてみると、そんなアンティークの大海に浸かっているのも悪くはないのかもしれない。

 次に向かった先は、同じくアンティークのデパート(実際にはアンティークというよりは古いデッドストックばかりの品揃えなのだが。)ともいえる次の買付け先へ。ここは20世紀に入ってからのものを主に扱っているため(もっともその時代の工場で作られた大量生産品だから、古くても沢山あるのだが。)、一般的に見れば充分に古いここのアイテムは、残念ながら私達にはとっては新しく、大量のアイテムがあるにもかかわらず、なかなか気に入る物がない。そんな中でも、地下の広大な倉庫に案内して貰い、デッドストックの可愛いものをいくつかget。いつの日か、どこかに、私たち好みの19世紀の物が大量に眠っている場所と巡り会えないものだろうか?

 やっと先程バスで会ったマダムとムッシュウの所へ。「待ってたよ。」とばかり、マダムはごそごそビニール袋を取り出すと、その中には目当てのブツが。金糸にグリーンの極細のリボンを通したブレードとお人形向きと思われる極細シルクの柄織リボン。こんな細い柄織リボンはなかなか出会えない。「いただきます!」とどちらも迷わずさっさと入手。

 昨日と同じキャフェに空腹でたどり着いたのはまたもや午後4時近く。「またこんな時間になっちゃった〜。」といつもの席に着くと、なんと!「今日の食事はもう終わり。」とムッシュウから告げられ頭の中が真っ白に。「でも、クロック・ムッシュウとクロック・マダム、それにピザとキッシュだったら出来るよ。」と言われ、「それって温めるだけ、しかも卵とチーズのものばっかりじゃない。」とブツブツ言いながらもキッシュを選択。また赤ワインと一緒に食べながら、空腹のあまり「たまにはキッシュも美味しいかも。」本当にフランスの食べ物って、卵とチーズとハム、この組み合わせのものが多いのだ。フランスから帰ってくると、「しばらくこの組み合わせは勘弁。」と思ってしまうほど。

 また今日も疲れ果ててバスで帰宅。ヘンな時間に昼ご飯を食べたために、今日も夕ご飯はバゲットサンド。

ビュッシ通りから入った路地で見つけたインテリアショップ。お花とキルトとバスケット、こんなディスプレイのセンスにパリらしさを感じます。


ここはお花屋さん。パリではついついお花屋さんとインテリアショップに目がいってしまいます。立派なバラの大輪、いったいどんな人が、どんなお部屋に生けるのでしょうか?

***買付け日記は「後編」へとまだまだ続きます。***