〜イギリス編〜

■2月某日 曇り
 着いた!着いた!ようやくロンドンに到着。以前はさほど長いと思わなかったソウルからロンドンまでの12時間のフライトだが(名古屋からは直行便が極端に少ないため、大韓航空が私達がメインに使っている航空会社だ。)、ここ最近は少々辛く思えるようになってきた。今回のフライト中も、とにかく眠くてたまらず、以前からその衣装を見たいと思っていた「エリザベス〜ゴールデンエイジ」をかろうじて最初から最後まで見ると、あとは膝に文庫本をのせたまま爆睡。「どうしてこんなに眠れるんだろう?」と疑問に思いながらも、フライトの大半を眠り続けたのだった。

 果たして、イギリス悪名高きイミグレーションの長蛇の列を抜け(イギリスのイミグレーションでは海外からの不法労働者を増やさないよう、厳しいことで有名。必ず滞在目的や職業、滞在日数などをひとりひとりインタビューされるのだ。)いつものように、"I'm a antiques dealer." "Just 3days."と簡単に答えると今日の係官はお茶目なイギリス女性で「イギリスの物?日本の物?どちらを扱っているの?」と聞く。「イギリスの物よ。」と答えると手でパタパタと羽を動かす仕草をして「こうしてイギリスのアンティークはみんな国から出て行ってしまう。」と言って笑った。

 さて、またしても事件はその後起こった!イミグレーションをあとにした私達、河村はスーツケースをのせる為のカートを取りに行き、その間、私はアメックスのオフィスで両替をしたのだが…両替といっても日本で作ったアメックスのTCをここで現金に替えるのだけのこと。アメックスのオフィスはロンドン市内に数カ所あるのみ。ここで一部でも替えておくのが一番効率が良いのでいつもそうしている。まず、長時間のフライトで時差ボケと疲労から頭がボーッとしたままの私は、本来『2thousandポンド』と言うところを「2millionポンド(日本円に換算すると約430万円程。)替えられますか?」と口走り、直後にmillionが百万だと言うことに気付き(言い訳:フランス語で1000はmille(ミル)、思わずミルとミリオンが頭の中で一緒になってしまったかも?)、「着いたばかりは頭がボーッとしているから気を付けなくっちゃ。」とあまりの金額の違いに自分で自分に呆れつつ、TCの枚数を数えながら「着いたばかりは(注意力が散漫になるので)お金なんて替えたくないんだよ。」と独り言。現金2000ポンドを受け取り、ヤレヤレという思いでオフィスを立ち去ろうとしたその時、慌てた声で呼び止められた。

アメックスのおじさん : 「ちょっと待って!!これ2400ポンドあるよ!」
青ざめた私 : 「えっ!本当?」
アメックスのおじさん : 「ハイ!400ポンド。」

 既にボロボロだった私は、単位はおろか枚数までも間違ってしまったらしい。無事残り400ポンドの現金を受け取ったのだが、400ポンドと言ったら日本円で10万円弱。そのままさっさと足早に立ち去っていたら、10万円弱を不意にするところ。しょっぱなから、何とも危険な感じで買付けの幕が開いた。

■2月某日 曇り一時雨
 まずは買付け一日目。今日はまだ小手慣らしという感じ。時差ボケで午前4時には目覚めてしまった私達なのだが、体力温存のため午前7時までベッドの中で過ごし、その後ノロノロ起き出してまず最初の買付け先へ。

 私達が「川ベタ」と呼んでいるテムズ川にも程近いマーケットへ。この辺りはテムズ川を吹き渡る風のせいでロンドンのセントラルよりも気温が一段低く、地下鉄の改札から出てきただけで冷気を感じる。昔は日本人ディーラー皆が先を争うようにやってきたこのマーケットだが、それも今は昔、もう10年も前のこと。当時は私も午前5時にはここに集合していたものだったし、しかもあまり治安の良くない場所ゆえ、大枚をはたいてわざわざホテルからタクシーで来たものだった。今では付近の開発のあおり受け、規模はどんどん小さくなり、かろうじて開催されている風前の灯火状態。その中で用があるのは昔から懇意にしているたった一人の女性ディーラー。彼女のセレクトした小さめのジュエリーと相性が良いのだ。今日も結局彼女のところでラヴリーなお花のフォブをget。そしてその後、顔馴染みのジューイッシュの彼から可愛いリボンのシードパールブローチを。こんな良いジュエリーがこんなマーケットに紛れ込んでいたとは!ジュエリーを扱うディーラーにはことのほかジューイッシュが多い。世界的にも「商売上手」といわれる彼ら、他のイギリス人と違って彼らのビジネスが幾分良いように思えるは、やはりユダヤ人が勤勉だからなのだろうか?ジュエリーいくつかを手に入れ、早々退散。

「川ベタ」での買付けの後は、ここ最近の南ロンドン開発で出来たこのキャフェでひと休み。“Cafe Rouge”と名付けられたここにいると、パリのキャフェにいるような錯覚を覚えてしまう。思わずフランス語で注文しそうになって、「え〜っと、え〜っと、英語でどういうんだっけ?」

 今回パリに渡るのは翌々日。今回はユーロスターのチケットを少しでも安く手に入れるため日本の旅行社でなくロンドンの旅行社に手配したのだ。現地で発券するEチケットのため、ロンドンから知らせていたのは6桁の予約ナンバーのみ。これを駅の機械に自分で入力し発券するのだ。しかも昨年末、今までのユーロスターの発着駅だったウォータールーから北のセントパンクラスに変わったばかり。当日はタイトなスケジュールのため、まごついて乗り過ごしてしまったら大変なことになってしまう。「今日下見に行っておこう!」ということで河村と意見が一致。思えば、セントパンクラスのすぐ隣合わせのキングスクロスは今まで何度も使ったことのある駅なのに、セントパンクラスは、私も河村も足を踏み入れたことさえない。
 テムズ河畔からバスに乗りロンドンのセントラルを縦断し、セントパンクラスに着いてみると…ユーロスターの発着するインターナショナルの駅はすぐ、おまけに新しい駅はとってもキレイ、なおかつ、まるでショッピングモールのようになっていて、ちょっと遊びに来たくなる楽しいロンドンの新名所になっていた。心配していた発券も、チケットオフィスの片隅にあった機械に予約ナンバーを入力すると、あまりにもあっけなく私達のネーム入りのチケットが出てきて感動!思わず「簡単じゃん!」と喜んでしまう。あとは明後日、もう一度やって来て実際に乗るだけ。「やっぱり一度来てみて良かったね。」ふたりでそう言いながらフラットに戻った。

 一度フラットに戻り昼食。そして午後からはロンドン市内の買付け先へ。いつも訪れるソーイングものを扱うディーラーの所に立ち寄るも、めぼしいものが何もない。前回11月に来たときとほぼ変わらない品揃え、あれこれ出して見せてもらうのだが、あいにく私達の満足のいくものが何もない。こういう時には「妥協するより次に期待をかける方が賢明」というのが私達の持論だ。"Next time!"とにこやかに挨拶をして立ち去った。今回のように当てがはずれる事が多いのが最近のイギリス。こうした仕入れ先をトランプのカードを切っていくようにいくつ持っているかが勝負の分かれ目、そんな気がする。

出来たばかりのユーロスターのセントパンクラス駅は、ただいまロンドンのホットなスポット!ユーロスターを利用する人だけでなく、沢山の人々が物珍しそうにそぞろ歩きを楽しんでいた。まだ新しくて綺麗なセントパンクラス駅だが、今までのウォータールー駅と違って、ゲートに入ると免税店はおろか両替所も無いので要注意!

■3月某日 曇り
 今日はいくつものディーラーを巡る忙しい一日。なのに目覚めると外は真っ暗、それもその筈、またもや午前2時台に目覚めてしまう。ようするに時差ボケなのだが、ここで眠っておかないと今日一日体力が続かなくなってしまう。もう一度うつらうつらし、次に目覚めると午前4時半。今朝は午前5時半にはフラットを出るため、起き出して準備。朝の早いイギリスの買付けでは時差ボケも良いような悪いような…。

 この時間まだ地下鉄は動いていない。という訳で、早朝のロンドンの街をタクシーで移動。まずは顔馴染みの男性ディーラー、今までにも彼から私のお気に入りアイテムであるアイボリーのピンディスクを仕入れたことがある。にもかかわらず、彼は私達に向かい「これはピンディスクと言って…。」とまるで初めてであるかのように語り始めるので、思わず「知ってるって!知ってるって!いつもあなたから譲ってもらうでしょ!」とたしなめると、私の顔をよくよく見てからハタと気付いたように、「そうだったね。どうにかしてたよ。」とバツが悪そうにニッコリ。

 同じく、顔馴染みの別の男性ディーラーは、私達の姿を見るや奥からゴソゴソとソーイングツールを出してきた。どうやら私達のために日頃から探してくれていたらしい。元々は男性的な道具類を扱う彼なのだが、同じ道具ということで、ソーイングツールにも興味を感じて探してくれているようだ。ありがたい。今回彼の手から出てきたのは、苺の形のエメリーとシルバーのはさみ。しかもエメリーはシルバーのへた付き、今まで何度か扱ったことのあるエメリーだが、シルク製でシルバーのへた付きのものは本の中でしか見たことがない。嬉しい!「そうそう!!こういうのをまた探しておいてね!」なんて調子の良いことを言って別れた。

 今日はどうやらソーイングものに縁があるらしい。初めて出会った女性ディーラーのガラスのケーの中にシルクのピンディスクを発見!リボン刺繍が施されたこのタイプのピンディスクは、同じくソーイングツールの本の中にはよく登場するアイテムだが、実物を目にするのはなんと5〜6年振り。久々の出会いに満足度が高い。「まだこんなのあったんだ。」と呟いてしまう。

 ここ最近のロンドンのアンティーク事情は刻々と変わっている。以前はジュエリーのディーラーがひしめいていた有名なストールが、今回は消え失せていてびっくり。事情通の他のディーラーに聞くと、なんとストールごと売られてしまったらしい。いわゆる「地上げ」をよく耳にするロンドンでは決して珍しい話ではないが、私達にとっては大ショック!この仕事を始めた頃から長年馴れ親しんできた有名なストールが消えてしまうのはあまりにも寂しい。あのストールにいたお世話になっていたディーラー達はいったいどこに行ってしまったのだろうか?今回会えなかったディーラーのその後が気になる。

 だが、そんな恵まれない事情にもかかわらず、今回は可愛いジュエリーたちと嬉しい出会いがあった。まずはダイヤの周りをぐるりとシードパールが取り囲んだ私好みのリング、今までにも扱ったことのあるタイプなのだが、このお花のデザインがヴィクトリアンぽくてお気に入りなのだ。しかも7.5号の小さめサイズ!(リングのサイズ修理は、大きくするにはかなりも無理がきくが、小さくするのには細心の注意をはらっても1号から2号程度。サイズを小さくするのは職人泣かせのため、最初から小さいサイズは大歓迎なのだ。)もうひとつ、ヨーロピアンタイプのダイヤのリングは同じく可憐なリボンシェープ、ダイヤの存在感、7号の小さなサイズも◎。かなり嬉しい!(本当にこのサイズってなかなかないのだ。)

 私の好きなエナメル素材のジュエリーも。薔薇のお花が美しい微妙な色合いの淡いピンクのロケット、そして真っ赤なハートのエナメルにシードパールの王冠の付いたとてもラブリーなブローチ。どちらも別々に出てきたものだが、これらを手にすると「私はやっぱりエナメルが好き!」と素直に自分の好みを再確認してしまう。
 そして、最近魅了されているシールの数々。様々なインタリオが施されたシールは、その形や彫られたインタリオの多様性から奥深い世界が感じられるアイテム。今日手に入れたのはすずらんや蝶々、それにハートが印刻されたとてもチャーミングなもの。これだからアンティークは止められない。今回は見つけられなかったものの、ウサギ好きの客様のために一生懸命探しているのはウサギモチーフのシール。今回も馴染みのジュエラー皆に「ウサギ!ウサギ!ウサギ!ウサギのものが出たらキープしておいて。」とうるさく言って別れた。

 午前5時半にフラットを出てから歩きに歩いて早7時間。買付けをしているとあっという間に時間が経ってしまう。まずまずの収穫に満足しながらもぐったりしてタクシーで帰還。フラットに帰ると時差ボケとあまりの疲労にぐっすり眠ってしまった。夕方近く、のっそり起きてキングスロードのアンティークモールへ。ロンドンでの買付けはもう明日を残すのみ。

 いつも冬の買付けは2月上旬から中旬にかけての真冬の真っ最中、ということでヨーロッパの寒さを何よりも恐れる私(ただの「寒がり」といってしまえばそれまでだが)は、我が家では「お布団」と呼ばれているダウンの沢山入った暖かいロングコートと一緒に買付けにやってくるのが常。このロングコート、我が家だけでなく友人の間でも「お布団」と呼ばれていて、自他共に認める暖かさなのだが、なにぶんダウンゆえかさばるのが唯一の欠点。ところが、今回の買付けはスケジュールの都合から2月末から3月になり、事前の天気予報では「日本の方がずっと寒い」という逆転現象。にもかかわらずひたすら寒さに怯える私は、出発の朝まで河村まで巻き込んで「ね、どうしょう?どうしょう?」と迷いに迷っていたのだ。だが、今回「お布団」は自宅でお留守番させることにし、かわりに裏にキルティングのインナーの付いたトレンチコートを羽織ってきた。そうしたところが、予想通り日本より暖かいロンドンの気候。寒さに震える冬しか体験したことのなかった私は「こんな事もあるのね。あぁ、良かった。」とほっと胸を撫で下ろした。
 周りのロンドンの風景を見回してみれば、公園の植え込みには黄色の水仙が咲きそろい、桜と思しき木々にはちらほら花をつけているものまである。(こちらの桜は日本のそれとは違い、気温がさほど上がらないせいだろうか、日本のようにはらはら散ることなく一ヶ月ほど咲きっぱなしなのだ。)決して暖かくはないものの、ここにも春の訪れを感じる。

滞在しているフラット裏手のプライベートガーデンの桜も咲き始め春の気配。日本のソメイヨシノと違い小さくて濃いピンクの花びら、彼岸桜のような種類だろうか。


■3月某日 曇り
 ロンドン最後の日。このところ以前と比べて滞在日数が少ないイギリスだが、最近の為替レートの悪さやイギリスアンティークの品薄を考えれば仕方のないこと。そういえば、以前はレンタカーを借りて地方まで足を伸ばし、車のフロントガラスがコチコチに凍っている中、朝4時からフェアに出掛けたものだったが、二年ほど前からシステムが変わり、ディーラーの搬入時間に入場出来なくなってからは、わざわざ遠くまで出掛けていくほど魅力のあるフェアではなくなってしまった。あのまだ真っ暗で、息も凍る早朝から「よし!行くぞ〜!!」と気合いを込めてフェアに出陣していく様が大好きだったのに、もうそんなこともなくなってしまって淋しい。昔はそうしたフェアも含めて平気で一週間以上滞在したイギリスだが、今となっては考えられないこと。その滞在の間には、ロンドンの様々な美術館や博物館を巡って過ごし、今思えば、あれが私の貴重な勉強期間だったのかもしれない。今回も「レンブラントを見にナショナルギャラリーへ行きたいなぁ。」と思いつつもかなわず、また次回となってしまった。

 今日は午前中にお目当てのフェアでの買付けを済ませ午後2時過ぎのユーロスターでパリへ向かう。朝から荷造りを済ませフラットを出る。とにかく荷物の多い私達は、いつも「ローワーフロワーを。」と必ず下の方の階をリクエストするのだが(ヴィクトリアン中期に建てられたこの建物にはエレベーターというものが無い!)、今回あてがわれたのは日本でいう4階の部屋。仕方なく、重いスーツケースを斜めにし、階段を滑らすようにして下まで降ろす。そういえば、以前、河村とコンビを組む前、まだ私が一人で買付けに来ていた頃、フラットの部屋から20キロの荷物を詰めた段ボール箱いつくかを発送するために「よくこんなふうに階段を滑り降ろしたものだったな。」思い出した。そう、ハンドルの付いていない段ボールを降ろすのは一苦労だったのだ。それをカートにくくりつけて運んで行って…思えばあの頃はホント元気だった!そんな思い出ひとつひとつに年月を感じる。

 そしてフラットを出ると、ロンドン市内で開催されるフェアへ。何度も行ったことのある勝手知った場所、何年か前には活気を失い、このまま廃れていくのか、と心配したフェアだがここ最近どうしたことか活気を取り戻し、ロンドン中のアンティークディーラーがやって来る熱気溢れるフェアに戻ってきた。私達が開催時間の30分ほど前に着いたにもかかわらず、もう建物の周りには人が並んでいて列を作っている。私達も列に加わり、顔馴染みのディーラーがやってくると挨拶を交わす。

 このフェアでもお目当てのディーラー、お目当てのアイテムがあり、さほど大規模でないため、見易くて気に入っているフェアだ。さぁ、開門と共にみんな会場へと流れていく、入り口でディーラーズカードを見せ、入場料を払って入場。あまりに沢山の入場者で中はごった返しているため、まずはお目当てのディーラーの元へ一目散に駆けつけるが…。いつもは何かと手頃なジュエリーを持っている女性ディーラーだが、今日は気にかかるものが何も無い。眼をマクロにしたり、望遠にしたり、カメラのレンズを絞るように見方を変え、見落としたものが無いように隅々まで見渡し、小走りで探していく。私達がいつも懇意にしているベルギーからのディーラーも出ていたのだが、残念ながら今日のところは今ひとつの品揃え。そんな中で、久し振りに会った女性ディーラー、元々彼女はあちこちのフェアに出ていたのに、今はここだけになってしまい、なかなか会えなくなってしまったのだ。彼女の持っている手仕事を感じさせる小さめのジュエリーは、私の好みとぴったり。今日はダブルハートをシードパールで飾ったリングを発見!上品で可愛い!他にもダイヤのピアスをget 。
 河村はひそかに自分のために猫のシルバーブローチを入手。確かに可愛いけど、こんなおじさんがこんな可愛いブローチをして良いのだろうか?

 「もうおしまいかしら?」と思った終盤、良く見知ったレースディーラーにばったり。挨拶がてら「何かある?」と聞くでもなく聞いてみると…「あなたこんなの好きだったわね。」と裏から出てきたのは結び目を作る古い手法のタティンレースで作られたパラソル。アイボリーのハンドルも美しい。内側は濃いブルーのシルク張りになっていて、こちらも良好な状態。想像したとおり高価なパラソルだが、滅多で出会えないシロモノだけに、出会ったら連れて帰らない訳にはいかない。河村に「高価だから…。」と反対される前に、「これ絶対連れて帰る!」とだだっ子のように宣言した。

 そうこうしているうちに時間切れ、今日はこの後、一度フラットに戻り、すべての荷物を持って、先日下見に行ったセントパンクラス駅までタクシーで移動、そしてそのままパリへ行くのだ。パリには夕方着の予定。あぁ、ロンドンでの日々は本当に慌ただしい。

***「買付け日記」はまだまだフランス編へと続きます。***