繊細なホワイトワーク、薔薇模様の霞のような襟飾り
透けるような素材感の
薄いローン地に緻密な薔薇模様の手刺繍、9枚のパネルを組合わせた霞のように軽やかなケープです。それぞれのパネルに薔薇模様の立体的な白刺繍、薔薇の花
芯には9種類すべて違うフィリングが施されています。首回りにはさらに繊細な花模様の刺繍が施されており、ケープの周囲には花模様のハンドのヴァランシエ
ンヌの裾飾りが付けられています。首回りの縁飾り、パネルとパネルをつなぐボーダーも同じくヴァランシエンヌによるものです。襟元でリボンを結んで留めら
れるようになっています。
フランスのホワイトワークでは、ボネのために細工されたものが多く見られますが、いずれもアランソンなどのレースの産地で作られたと思われ、特にフィリングの細工にはアランソン同様、ニードルによる透かしの細工が見られます。
また、縁を飾るヴァランシエンヌレースの特徴としては、グランドがはっきりしていて編み目が緻密なこと、トワル(生地)の部分がフラットで均一な素材感が
挙げられます。現在、
一般に「アンティークのヴァランシエンヌ」として流通しているものの多くが、19世紀後期から20世紀初頭に作られたマシーンによる下着に付ける用途の
レースですが、このケープには、そのようなマシーンのものとは一線を画す上質なハンドのボビンレースが使われています。
現代には存在しない薄いローン生地、繊細な手刺繍、ヴァランシエンヌレースのいずれも、アンティークならではの魅力が感じられます。ローン地に僅かな傷みはあるものの、デリケートな素材、繊細な細工にもかかわらず良好な状態です。
商品についてのご質問等は、お気軽にメール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。