L-77-4

ヴェネチアンレース(ポワン・ド・ヴニーズ) ボーダー

 

 

 


年代:イタリア製17世紀後期
材質:リネン
SIZE:幅 11cm 長さ 101cm

SOLD

いちめんブランケットステッチに覆われた緻密なグランド
ヴェネチアンレースのボーダー

15世紀末から16世紀初頭にイタリアのヴェネチアでニードルポイントレー スが考案されました。17世紀になるとプント・イン・アリア(空中レース)が発明され、その後プント・イン・アリアからグロ・ポワンと呼ばれる立体的なレ リーフを持つヴェネチアンレースへと発展しました。17世紀中頃、最盛期を迎えたヴェネチアンレースは、ヴェネチア商人の手で北の貿易都市アントウェルペ ンを経てパリ、ロンドンなどヨーロッパ中に広まりました。

このレースはドレス、もしくはインテリアのデコレーションとして使われていた
17世紀後期の ヴェネチアンレース(ポワン・ド・ヴニーズ)のボーダーです。同じヴェネチアンレースでも立体的で大きなレリーフが特徴のごつごつしたグロ・ポワンなどに 比べると、極めてフラットで緻密な作りが印象深く、平板な作りのポワン・ド・ヴニーズ・プラや、その後の時代を担うフランスレース、ポワン・ド・フランス に近い雰囲気を持ったレースです。

同じヴェネチアンレースのグロ・ポワンでは立体的で大きなレリーフだったブロッド(糸の束)も、このレースでは非常に繊細で模様も小さく、その幾何学模様 が連なったグランドには、次の時代のポワン・ド・フランスを予感させるものがあります。立体的なヴェネチアンレースの中では異質で、かえって特色を感じさ せるレースです。

初期のレースらしい素朴な雰囲気でありながら、信じられないほどの繊細さを併せ持ったレースです。そのブリッド(つなぎ糸)に付けられた極小のピコットは 限りなく繊細、ブリッドはすべてブランケットステッチで覆われています。また、模様が繰り返しではない点もこの時代のレースの特徴をよく表しています。具 体的ではない模様が想像力を掻き立てさせ、より興味をそそります。ルーペで眺めていただくとさらにその繊細さ、緻密さが分かるので、是非実物をご覧いただ きたいレースのひとつです。

僅かにブリッド(つなぎ糸)の切れている箇所、補修されている箇所はあるものの、300年以上前のレースとしては大変良好な状態です。19世紀よりも前の レースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相下さい。

商品についてのご質問等は、お気軽に
メール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。 


BACK

HOME