繊細な19世紀のアランソンレースがエレガントなハンカチ
18世紀、パリの北西部、ノルマンディー地方の隣りあった街アランソンとア
ルジャンタンではそれぞれニードルポイントレースが作られていましたが、元々アランソンレースよりもアルジャンタンレースの方が発祥が古いとされ、そのい
ちめんにブランケットステッチ(ボタンホールステッチ)を施したアルジャンタンレースのグランドを簡略化したものがアランソンレースといわれています。
その18世紀のアランソンレースが100年近くの月日を経て進化したのがこちらの19世紀のアランソンレースです。レースの技法が完成され、もっとも華や
かなレースが作られた19世紀のフランスを代表するレースです。同時代にアランソンを模倣して作られたベルギーのニードルポイントレース、ポワンドガーズ
と比べて圧倒的に作られた数の少ない稀少なレースです。
こちらのハンカチはレース全体に繊細なギャザーが入り、レース自体も非常に緻密。愛らしいドット模様に薔薇のお花、その下にはまるでガーランドのように見
える透かしのニードルの細工、裾には星形の模様の細工。ニードルの細工がふんだんに施された19世紀のアランソンらしいエレガントで非常に手の込んだレー
スです。
レースの縁や模様のアウトラインには白馬のしっぽの毛が縫い込まれ、手で触っていただくと麻の質感だけではない独特のシャリ感を感じていただくことが出来
ます。同時代のベルギーのニードルポイントレース、ポワンドガーズとはまた違った雰囲気を是非味わっていただきたいです。
かつてハンカチは様々な形が作られ、マリー・アントワネットによりその形が正方形に統一されたと言われていますが、19世紀半ばでもこうした円形のハンカチが作られていたようです。
ネットの部分に僅かなホール、小さな補修部分がありますが、ほとんど目立たない程度で、全体の状態は良好。ご存じの通り、アランソンで「製品」、特にハン
カチという点がとても珍しいと思います。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
※アランソン(ニードルポイントレース)についてはこちらをご参照ください。
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