18世紀らしい模様と繊細な糸による細工が魅力、
メヘレンのラペット

ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋をひらひ ら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画（「皇帝フランツ一世、女帝マリア・テレジアとその子供達」部分1756年）などでもその使われ方を確 認することが出来ます。フランスではバルブ（髭）と呼ばれ、17世紀に登場した際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本 につながった形が主流となりました。

これはごく繊細な糸で織られたフランドル地方メヘレンのボビンレース、18世紀前期と思われるメヘレンのラペットです。糸の細い繊細な質感から、18世紀 のフランドルのレース特有の雰囲気が伝わってきます。素朴で不思議ないちぢくを思わせる実ものやお花の模様がこの時代らしい独特の面白さで大変興味深く、 現代の感覚とは違う18世紀の人々の美意識が感じられます。また、ラペットという「製品」になっている点も大きなポイントです。

透かしになったまるでニードルの細工を思わせる表現もすべてボビンによるもの。縁を飾る四つ葉のクローバーのような模様やアーガイルのような模様にも惹か れますが、何より、細い糸で織られたグランドの緻密な仕事ぶりには目を見張ります。この時代のレースとしては大変良好な状態です。

19世紀よりも前のレースがお好きな方におすすめ、古いレース特有の味わい深いレースです。18世紀のレースは最近ぐっと貴重になってきています。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

商品についてのご質問等は、お気軽にメール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。