究極のドロンワークが施されたシルク製のフィシュー
フィシューは18世紀初頭から19世紀後半にかけ流行した肩掛けの一種で、当時のファッションが胸元が開いていたため、このような服飾アクセサリーが必要とされました。当初は胸元に入れ込んでいたため、「フィッシュー」の名前は、フランス語の“ficher(差し込む)”
に由来しています。三角形や正方形、襟に近い形もありますが、こちらのフィシューは正方形なので、半分に折って、三角形にして使われたものと思います。
ほぼ正方形の透け感のあるごく薄いシルクのローン地のコーナーにサテンステッチによる立体的なお花の刺繍、そのお花部分は様々な模様の繊細なドロンワーク、中央には刺繍に囲まれた菱形の緻密なドロンワークに“L”と“Q”のイニシャル。周囲にもいちめんに繊細なドロンワークが施された上質な細工のフィシューです。
緻密なドロンワークは、生地の糸目を数えて引き抜いたり、抜いた糸でくくり、模様を施す緻密な仕事によるものです。そのパターンは何種類にもおよび、あまりの細かさ、パターンの細工の正確さは、ルーペで眺めると感動的でもあります。
特に周囲のドロンワークは、元々この生地だったと思えないほど複雑で、その緻密な仕事には目を見張るばかりです。生地の部分に極小さなホール、左下辺りに、縁のドロンワークに僅かな傷みがありますが、それ以外は良好な状態です。デリケートなシルク素材にしてはまずまずな状態ではないでしょうか。
普段から絵のように飾ってお楽しみいただけるため、額装もおすすめ。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
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