紅茶のアール・グレイ、
グレイ伯爵家にまつわるアルジャンタンレースの襟
紅茶のアール・グレイはお好きですか?こちらは、紅茶のアール・グレイと縁の深い第2代グレイ伯爵チャールズの妻エリザベス・グレイ(1776-1861)が所有していたとされるレースです。紅茶のアール・グレイの起源については様々な説がありますが、グレイ家によると、当時、ノーサンバーランドにあるグレイ家の邸宅、ハウイック・ホールの水質に合わせて、中国の官僚が第2代グレイ伯爵のために特別にブレンドしたもので、特にベルガモットを使って伯爵家の地元の水に含まれる石灰分を中和したとされています。その後、グレイ伯爵夫人エリザベスがロンドンの社交界のホステスとしてこの紅茶を振る舞い、大変好評を得たとか。現代でもあまりにも有名な紅茶のひとつです。
こちらは、隣町のアランソンと同様に、1665年に王立レース製作所が置かれレースの街として知られていたアルジャンタンで作られたニードルポイントレース、アルジャンタンレースの襟です。元々アランソンよりもアルジャンタンの発祥の方が古いとされ、そのいちめんにブランケットステッチ(ボタンホールステッチ)を施したアルジャンタンのグランドを簡略化したものがアランソンといわれています。
グランドいちめんにブランケットステッチを施したアルジャンタングランドで、いくつかの小花のガーランドが連なる可憐な模様、フランス革命直前のアルジャンタンレースです。その可憐で控えめな模様は、当時、フランスで流行していた思想「自然への回帰」を思わせます。
ブランケットステッチが施された繊細なアルジャンタングランドの気の遠くなるような緻密な仕事にも感心しますが(肉眼で見ただけでは、このグランドにステッチが施されているとはまったく分からないほど繊細です。)、このお花の可憐な模様にも心惹かれるレースです。そのグランドの緻密なステッチは、是非ルーペでご覧いただきたいです。
グランドに僅かな補修のあとが見られますが、この時代のレースとしては大変良好な状態です。
こちらはフランス1780年頃と思われるアルジャンタンレースの襟。エリザベス・グレイが若い頃に着けたレース、もしくはグレイ家に伝わるレース、彼女自身も初代ポンソンビー男爵の娘だったこともあり、そちらの親族から受け継いだレースのひとつだったのかもしれません。(こちらの襟には、英文による簡単な資料が付属しています。)
18世紀のレースは非常に貴重になってきています。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
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