存在感のあるグレイハウンドの紋章
伯爵夫人のホワイトワークの婚礼用ハンカチ
薄いローン生地に、手刺繍のホワイトワークを施した貴婦人のための婚礼用のハンカチです。紫陽花の小さなお花の中心には極小のアイレットワーク、茎の部分は繊細なサテンステッチ、葉っぱには緻密なステッチが施されています。
ハンカチの一角に刺繍された“L”と“M”のイニシャルを組み合わせたモノグラムも、とても繊細な仕事振りで、このモノグラムには紫陽花以外に、「豊穣」を表す葡萄も組み合わされています。“L”の文字と左右の葡萄の葉の内側には極小のステッチが、“L”の文字には透かしのニードルの細工も見られます。流麗な“M”の文字はサテンステッチで表現されています。ハンカチの周囲を飾るのは、葡萄の葉を思わせる唐草模様のボビンレースのヴァランシエンヌレースです。
紫陽花は、18世紀から19世紀にかけて日本から伝わり(当時、プラントハンターでもあったオランダのシーボルトによりヨーロッパにもたらされたとされています。)、かつては“Rose
du
Japon(日本のバラ)”とも呼ばれていたとか。特にブルターニュの地質とよく合ったため、ブルターニュ地方の紫陽花は美しい色合いで有名とのこと。ブルーストの「失われた時を求めて」の中にも紫陽花についての記述があります。
婚礼用のハンカチに、わざわざ紫陽花の文様を選んだのは、いったいどのような女性だったのでしょう。想像が膨らみます。当時、こうしたハンカチはいわゆる手に持つアクセサリー。貴族や大ブルジョワなど限られた女性のためのもの、婚礼のために誂えられたと思われる贅沢で美しいハンカチです。
このようなホワイトワークのハンカチは、当時、フランスの一大レース産地だったアランソンで作られたと伝えられています。この時代にしかあり得ない、手仕事の粋が凝縮された美しいハンカチです。
中央、四角く折ったハンカチの折り目にごく薄いしみがありますが、濃い色の台紙の上に置くとほぼ分からない程度です。
絵のように飾っていただけるため、額装がおすすめです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にお問い合せ下さい。
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