フルール・ド・リスにも似たライラック模様、
                     デュシェスレースのファン
                     
                     「公爵夫人」と名付けられたベルギーのボビンレース、デュシェスレースのハンカチです。デュシェスレースはポワン・ド・ガーズと並びベルギーを代表する19世紀のレースで、1840年頃から
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                     世紀を通じてブリュッセル、特にブルージュで作られました。その「公爵夫人」の名前は、レースの発展に尽くしたベルギー王妃ブラバン公爵夫人マリー・アンリエットにちなんで名付けられたものです。(そのエレガントなレースの名前とは裏腹に、実際の公爵夫人アンリエットは馬に夢中な、活動的な女性だったそうですが…。)
                     
                     デュシェスレースはボビンで形作られたモチーフをバーと呼ばれる小枝模様でつなぎ、グランド(ネット)がない点が特徴。元々ベルギーが発祥のレースですが、ヴィクトリア女王の婚礼衣装で有名なイギリスを代表するボビンレース、ホニトンレースのお手本になったことでも知られています。
                     
                     ポージーホルダーに入ったライラックと思われるお花(ポージー
                     Posy
                     とは小さなブーケやコサージュのこと。19世紀当時、そうしたお花を身に着けたり、手に持ったりするためのシルバーなどの金属で作られたホルダーが流行しました。)とロココ模様の組合わせは、フランスの百合の紋章フルール・ド・リスを思わせるデザイン。沢山細工されたライラックのお花が愛らしく、ロココ模様がエレガントなレースです
                     
                     ボビンレースで形作られたお花とロココ模様にはギンプ(アウトラインの細工)が見られ、模様と模様はバー(小枝模様)でつながれています。ファンの骨は失われていますが、特にボビンレースがお好きな方にはおすすめ。大変良好な状態です。
                     
                     扇は15世紀末から16世紀に中国を経由して日本から西洋へと輸出され、ヨーロッパで大流行しました。18世紀には精巧で芸術性の高いファンが多く作られ、19世紀には紙、絹、レースに象牙、マザーオブパール、べっ甲を組み合わせたファンが貴族達の手を飾りました。「扇言葉」があった当時、いったいどのような貴婦人が手にし、どのような恋の駆け引きに使われたのでしょうか。当時の貴婦人に思いを馳せることの出来る優雅なアイテムです。
                     
                     普段から絵のように飾ってお楽しみいただけるため、額装もおすすめ。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
                     
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