L-119-6
ヴェネチアンレース(グロ・ポワン) ボーダー
 
 












「キジ家の一人の男性肖像画」1670年頃 アランソン美術館所蔵


年代:イタリア17世紀後期もしくは18世紀前期
材質:リネン
SIZE:幅8cm 長さ74cm

96,800
(¥88,000)

男性的で彫刻的な細工、ヴェネチアンレースのグロ・ポワン

15世紀末から16世紀初頭にイタリアのヴェネチアでニードルポイントレースが考案されました。17世紀になるとプント・イン・アリア(空中レース)が発明され、その後プント・イン・アリアからグロ・ポワンと呼ばれる立体的なレリーフを持つヴェネチアンレースへと発展しました。17世紀中頃、最盛期を迎えたヴェネチアンレースは、ヴェネチア商人の手で北の貿易都市アントウェルペン(アントワープ)を経てパリ、ロンドンなどヨーロッパ中に広まりました。

ヴァネチアンレース(ポワン・ド・ヴニーズ)の中でも立体的なグロ・ポワンのボーダーです。唐草とザクロを思わせる模様で、詰め物をした立体的なブロッド(糸の束)によるダイナミックな表現とトワル部分のぎっしりと密度の高い細工、緻密なブランケットステッチで覆われたブリッド(つなぎ糸)も特徴になっています。ブロッドの周囲に付けられたピコットは限りなく繊細。裾部分に付けられた半円形が連なった細工も、同じくブランケットステッチで覆われています。

バロックのこの時代らしい立体的で男性的なレースです。この時代のレースの主役は男性です。特にグロ・ポワンは彫刻的な外観が当時の男性の衣服にマッチしたこともあり、貴族の男性が襟元にレースをあしらったり、甲冑と一緒にレースを身に着けた男性像など、肖像画の数々を見ることが出来ます。

そのような男性的なレースではありますが、信じられないほどの細い糸で作られた繊細なレースです。ジュエリー用のルーペで確認をして、やっと判別出来る繊細さ。ルーペでじっと見入ると、300年前のヴェネチアに思いを馳せることが出来ます。是非店頭でルーペでご覧いただきたいレースです。

左端上部に一箇所バーの外れている箇所がありますが、約300年以上前のレースにもかかわらず、この時代のレースとしては大変良好な状態です。

この時代の上質なレースが巡り会うことは、21世紀の現代では非常に稀です。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめ、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

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