L-117-7
ヴェネチアンレース(ポワン・ド・ネージュ) 襟
 
 








年代:イタリア17世紀末
材質:リネン
SIZE:W 37cm×H 19cm

107,800
(¥98,000)

極小のピコットとコーラル模様のヴェネチアンレース
ポワン・ド・ネージュの襟

15世紀末から16世紀初頭にイタリアのヴェネチアでニードルポイントレースが考案されました。17世紀になるとプント・イン・アリア(空中レース)が発明され、その後プント・イン・アリアからグロ・ポワンと呼ばれる立体的なレリーフを持つヴェネチアンレースへと発展しました。17世紀中頃、最盛期を迎えたヴェネチアンレースは、ヴェネチア商人の手で北の貿易都市アントウェルペンを経てパリ、ロンドンなどヨーロッパ中に広まりました。

このレースは、17世紀後期のヴェネチアンレースの襟で、同じヴェネチアンレースのグロ・ポワン、ポワン・ア・ラ・ローズよりも更に繊細なモチーフのポワン・ド・ネージュです。一世を風靡したヴェネチアンレースの最後を飾ったレースとしても知られています。レースを発明し、その覇権を握ってきたイタリアですが、このレースを最後に ニードルレースの覇権はフランスに移っていくこととなります。

ポワン・ド・ネージュのネージュは「雪」の意、白くて細かい雪の結晶から名付けられました。立体的なレリーフが特徴のごつごつしたグロ・ポワンなどに比べるとより女性的で、初期のレースらしい素朴な雰囲気でありながら、信じられないほどの繊細さを併せ持ったレースです。ヴァネチアンらしく珊瑚をかたどったコーラル模様、繊細なグランドはすべてブランケットステッチで覆われており、極小のピコットも確認することが出来ます。立体的な縁飾りも特徴、特筆すべきは立体的な小さなお花の細工で、その限りなく細かな仕事ぶりは、ルーペで眺めると感動を覚えます。

こちらはレースの専門書
“Antique Lace: Identifying Types and Techniques”の47ページに非常に似通ったレースが掲載されています。また、こちらにはレースの内容を証明するオークション資料が付属しています。

ブリッド(つなぎ糸)が外れている箇所はあるものの、300年以上前のレースとしては大変良好な状態です。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深いレースです。

ヨーロッパでは、こうしたレースは財産のひとつとみなされ、代々一族の女性達が受け継いでいくことが常でした。17世紀末から18世紀初頭の、300年以上前の非常に繊細な作りにもかかわらず、傷みのない大変良好な状態です。この時代のこのクラスの上質なレースが巡り会うことは、21世紀の現代では非常に稀です。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめ、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

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