年代:フランス製18世紀後期
材質:リネン
SIZE:幅 8cm 長さ 180cm
¥165,000
(¥150,000)
18世紀後期、身分の高い女性のためのアランソンレースのラペット
ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋を
ひらひら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画(「皇帝フランツ一世、女帝マリア・テレジアとその子供達」部分1756年)などでもその使われ
方を確認することが出来ます。また、キャップクラウンという半円形の頭飾りの下側に付ける飾りとしても使われました。フランスではバルブ(髭)と呼ばれ、
17世紀に登場した際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本につながった形が主流となりました。
隣町のアルジャンタンと同様に、1665年に王立レース製作所が置かれレースの街として知られていたアランソンで作られたニードルポイントレース、アランソンレースです。元々アランソンよりもアルジャンタンの発祥の方が古いとされ、そのいちめんにブランケットステッチ(ボタンホールステッチ)を施したアルジャンタンのグランドを簡略化したものがアランソンといわれています。
こちらは18世紀後期、革命時代に作られた一本につながった形のアランソンレースのラペットです。かつて、身分の高い女性ほど長いラペットを身に着けていたと言われていましたが、私自身こんな長いラペットを扱うのは初めてのことかもしれません。(このラペットを譲ってくれた仕入れ先のマダム達は、「こんなに長いラペットはステータスの高い女性が付けていたに違いないわ!」と大騒ぎでした。)
アランソン特有のドットを思わせる細やかな植物模様で、非常に繊細なネット、縁はニードルによる透かしの細工が施されています。とても可憐な雰囲気のラペットなので、身分の高い若い女性が着けたものかもしれません。その後、革命でフランスが混乱の極みに陥ったことを考えると、このラペットを身に着けた女性はその後一体どのような運命を辿ったのか、感慨深いものがあります。
裾や模様のアウトラインの所々に、アランソンならではの白馬のしっぽの毛が縫い込まれています。これはレースがよれて形が崩れないようにしたためで、手で触っていただくと麻の質感だけではない独特のシャリ感を感じていただくことが出来ます。18世紀の貴重な「製品」になったレースです。200年以上前のレースとは思えない大変良好な状態です。
18世紀のレースは非常に貴重になってきています。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
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