L-113-1
「プリンセス・ヘレナ」のホニトンレース ハンカチ
 

 















Princess Helena of the United Kingdom
Portrait by Franz Xaver Winterhalter (1865). Currently at the Royal Collection.


年代:イギリス製19世紀後期
材質:リネン
SIZE:W 42cm×H 42cm

275,000
(¥250,000)
ヴィクトリア女王の第五子にして第三王女
プリンセス・ヘレナのホニトンレースのハンカチ

八芒星の形の薄いローン地の周囲を繊細なボビンレース、ホニトンレースで飾ったゴージャスなハンカチです。八芒星は、「ベツレヘムの星」とも称され、イエス・キリストの誕生の際に、東方の三博士をベツレヘムに導いた聖なる星のこと。ヨーロッパでは古くから護符とされてきました。

こちらはヴィクトリア女王の第五子にして第三王女プリンセス・ヘレナ・オーガスタ(1846年〜1923年)の紋章入りのハンカチです。非常に薄いローン生地の周囲は、様々な花々を繊細なホニトンで細工、ローン地にはイニシャル“H”に可憐な花模様の刺繍が組み込まれ、特徴のある王冠の紋章部分には透かしの細工が施されています。ホニトンレースに見られる極小のピコットは美しい形のままで、未使用、もしくは非常に良く管理されていたと思われる大変コンディション良いハンカチです。

王族の子女は外国王室と婚姻関係を結ぶことが多かった19世紀、ヘレナは所領を持たないデンマーク王家の支族アウグステンブルク家の公子クリスティアンと結婚したため、終生イギリスに住み、ヴィクトリア女王の側で秘書として支え、数々の慈善事業の後援者となりました。また、プリンセス・ヘレナは王立刺繍学校の創設者であることもよく知られています。創設にあたり、「第一に、ほぼ失われていた美しい芸術を復活させることであり、第二に、その復活を通じて、適切な生計手段を持たない淑女に雇用を提供することでした。」とヘレナは述べています。そうした言葉がこのハンカチにも宿っているように思います。

今まで侯爵や伯爵など、貴族の紋章入りのハンカチの数々を扱ってきましたが、王族由来のハンカチは大変希少。大変良好な状態です。

イギリスを代表するボビンレース、ホニトンレースはイギリスのデボンシャーの街ホニトンで作られました。元々、ホニトンのレースメーカーがブリュッセルでデュシェスレースのレースメーカーから学んだということもあり、両者のレースは非常に似通っています。1840年にヴィクトリア女王が、それまでの王室の伝統のウェディングスタイルだった宝石や金糸銀糸の豪華な刺繍を施した式服のかわりに、ホニトンレースをあしらった真っ白なイギリス製のシルクドレス、同じくホニトンレースで出来たヴェールを身に着けたことから、ホニトンレースは一躍有名になりました。そのクオリティに感動した女王は続けて長男であるエドワード7世のために洗礼式用のベビードレスを注文し、それは現在のイギリス王室にも伝わっています。

ホニトンレースはベルギーのデュシェスレースをお手本にしたレースだけにデュシェスレースととてもよく似ていますが、輪郭線のはっきりしたデュシェスに比べ、フラットな印象で、華やかなデュシェスに比べると素朴で愛らしい雰囲気が感じられます。

ホニトンレース特有の愛らしいお花や葉っぱの模様で覆われ、極小のleafやtallyの透かし模様がふんだんに施され、模様と模様とつなぐバーには極小のピコットが付けられていて、隅々まで細やかな細工が施されています。糸が細い繊細な細工のホニトンで、その細工の密度は、「流石王女様のハンカチ」といえるのではないでしょうか。ヴィクトリア女王自らホニトンの後援をしてきたイギリス王家らしいハンカチともいえます。

絵のように飾っていただけるため、額装がおすすめです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にお問い合せ下さい。

商品についてのご質問等は、お気軽に
メール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。

BACK
HOME