L-110-22
アイリッシュクロシェ チャイルドドレス
 
 







 


年代:フランス製19世紀後期
材質:コットン・マザーオブパールボタン・シルクリボン
SIZE:肩幅約24.5cm 着丈約50cm

49,500
(¥45,000)
立体的で複雑なモチーフのアイリッシュクロシェ、
胸元に並んだ丸いモチーフも愛らしいチャイルドドレス

19世紀当時の良家の子女の夏の定番服、こちらは細い糸で編まれた立体的で複雑なモチーフが特徴のかぎ針編み、非常に繊細なアイリッシュクロシェをはめ込み、ピケで仕立てられた白一色の上品なチャイルドドレスです。ピケの子供服は、ブルジョワ、もしくは貴族の子供など、良家の子女の夏の子供服(男の子も3歳ぐらいまでは女の子と同じ格好をさせていました。)の定番で、当時のファッションプレートでも同様な子供服を度々見ることが出来ます。

アイリッシュクロシェの定番、薔薇やクローバーとは違った立体的で複雑な植物模様、非常に手の込んだかぎ針編みです。胸元に並んだ丸いモチーフも愛らしく、ピケのドレス本体は、箱ひだのプリーツになっていて、ウエストはピンクベージュの広巾のシルク製サテンリボンを結わえるようになっています。

すべて手縫いによる上質な仕立てと凝ったデザイン。(当時既にミシンはありましたが、ミシンで縫ったものよりも人間が手で縫ったものの方が、仕上がりはずっと綺麗でした。)胸元と後ろ側のヨークの部分はすべてアイリッシュクロシェ、前身ごろにはボーダー状のアイリッシュクロシェ。後ろ身頃も同様にボーダー状のアイリッシュクロシェがはめ込まれていて、表側と比べて遜色のない作りになっています。袖口もアイリッシュクロシェで飾られています。

裏側をご覧いただくと、アイリッシュクロシェのはめ込み部分の僅かな縫いしろの美しい処理に驚かされます。当時、こうしたドレスは、いわゆる良家の子女のために作られたものです。お人形にもおすすめ、大変良好な状態です。

こうしたアイリッシュクロシェの編み方を考案したイギリス在住だった手芸家リエゴですが、Mademoiselle Eleonore Riego de la Branchardiereが正式名で、アイルランド人の母と亡命スペイン系フランス貴族の父の間に生まれました。(本人はマドモアゼル・リエゴと呼ばれるのを好んだという記述を見つけましたので、本人の中ではフランス貴族の血にプライドを持っていたのでしょう。)若い頃から手芸に長けていたリエゴは18歳でかぎ針編みのパターンブックを出版し、生涯手芸に関する72冊の本を出版しました。また、彼女が出版したアイリッシュクロシェのパターンブックは、1845年から1852年に渡ったアイルランドの大飢饉の折、多くのアイルランドの人々を飢饉から救う手助けになりました。

1851年、彼女は第一回ロンドン万国博覧会に参加し、スペインのレースやその他の高価なニードルレースを絶妙に模倣したかぎ針編みで金賞を受賞しました。1855年、1862年、1872年の万博でも賞を受賞しています。そして、19世紀半ばには、結び目のない、ピコットの部分を編みつなぐ現代の技法に近いタティングレースを考案し、それにより、より多くの女性がタティングレースを作るきっかけになりました。また、ヴィクトリア女王の母ケント公爵夫人などロイヤルファミリーの御用手芸家としても活躍しました。1887年、リエゴは59歳の生涯を閉じました。

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