幸運を呼ぶハチドリ、アランソンレースの襟飾り
18世紀、パリの北西部、ノルマンディー地方の隣りあった街アランソンとアルジャンタンではそれぞれニードルポイントレースが作られていましたが、元々アランソンレースよりもアルジャンタンレースの方が
発祥が古いとされ、そのいちめんにブランケットステッチ(ボタンホールステッチ)を施したアルジャンタンレースのグランドを簡略化したものがアランソン
レースといわれています。
その18世紀のアランソンレースが100年近くの月日を経て進化したのがこちらの19世紀のアランソンレースです。レースの技法が完成され、もっとも華や
かなレースが作られた19世紀のフランスを代表するレースです。同時代にアランソンを模倣して作られたベルギーのニードルポイントレース、ポワン・ド・
ガーズと比べて圧倒的に作られた数の少ない稀少なレースです。
アランソン レースの技術は4
年間の見習い期間を要し、完全に習得するにはまた同様な期間がかかるとされました。1平方センチメートルのレースを作るのに約7時間かかるとされ、2010年には、その卓越した技術により、ユネスコの無形文化財に指定されています。
1883年にエミール・ゾラによって書かれた小説「ボヌール・デ・ダム百貨店」の中にも貴婦人がアランソンレースを万引きするシーンが登場しますが、そのような点からもこのレースが当時の女性の憧れの的で、非常に高価なレースであったことが分かります。
19世紀のフランスを代表するレース、アランソンレースのジャボ(襟飾り)です。幸運を呼ぶハチドリがレースに組み込まれた珍しいモチーフです。(ハチドリのお目々が可愛いです!)動物のモチーフがお好きな方にもおすすめなレースです。
こちらは興味深いラベルの付いたオリジナルボックス入り。デッドストックと思われる一品です。ラベルには、1840年創業のアランソンに存在した有名レースメーカー“BESNARD
HUIGNARD”の名前とアランソンの住所
29,
Rue de
l'Ecusson(Google
mapでその建物までたどり着けますよ!)が。その下には1842年と1865年のアランソンの展示会で銀賞を受賞したとか、1867年から1904年の万博では、金賞から銅賞まで、様々な賞を受賞したことが記されています。こちらのL-103-6のアランソンレースのボーダーも“BESNARD
HUIGNARD”の製品です。
実は、このレース、長年お世話になっているディーラーのコレクションだったもの。小さなアイテムですが、その時代ならではの優雅な服飾小物で、オリジナルボックス付きということもあり、比較的珍しいアイテムです。ブローチなどで実際に身に着けることも出来ますし、コレクションとしてもおすすめの一点です。大変良好な状態です。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
商品についてのご質問等は、お気軽にメール・電話・FAXにてお問い合わせください。ホームページに掲載以外の画像もご希望に応じて送らせて頂きます。