L-108-46
ポワン・ド・スダン ボーダー
 
 










年代:フランス17世紀末から18世紀初頭
材質:リネン
SIZE:巾9.2cm×長さ94cm

132,000
(¥120,000)

目を見張るばかりの繊細さ、ポワン・ド・スダンのボーダー

17世紀中頃、イタリアのレースは、プント・イン・アリアからグロ・ポワンと呼ばれる立体的なヴェネチアンレースへと発展しました。同じ頃、ルイ14世の宰相コルベールは、フランスでも人気だったイタリアのレースに対抗するため、ヴェネチアとフランドルから熟練したレース職人を呼び寄せ、1665年8月5日にケノア、アラス、スダン、ルーダン、ヤック、シャトー・ティエリー、アランソンに王立レース製作所を創設し、今までにないまったく新しいレース、ポアン・ド・フランス(「フランスのレース」の意)を作らせることを始めました。
元々は、グロ・ポワンのコピーから始まったこの新しいレースは、グロ・ポワンから厚みのあるレリーフを取り除き、細かいピコットや、緻密なボタンホールステッチからなる六角形のグランドに整然とモチーフを並べ、フランスの繊細な美意識を表現した女性的な雰囲気を持つレースとなりました。
このレースは非常に成功をおさめ、ついには近隣のベルギーやイタリアからこのレースを模倣されるまでに至ったのですが、他の国々では既に追いつくことは出来ませんでした。そして、このポワン・ド・フランスこそが、後の時代、ポワン・ダルジャンタン(アルジャンタン)、ポワン・ダランソン(アランソン)やポワン・ド・スダンなどのフランスレースへと発展していく基となったのです。

こちらは、上記のような経緯を経て、17世紀末から18世紀初頭に作られたポワン・ド・スダンのドレスの裾を飾った繊細なボーダーです。その六角形のグランドにまだポワン・ド・フランスの雰囲気を残しつつ、ポワン・ド・スダンの特徴でもあるインドやペルシャの影響が感じられるエキゾチックな植物模様が繊細に表現されています。極小のピコットが付けられた六角形のグランドは、びっしりステッチが施され、非常に細やか。模様の内側の様々な透かしの模様も非常に繊細です。裾の葡萄を思わせる模様も興味深いです。

また、後の時代に付けられものと思われますが(最近付けられたものではありません。)、上側は極細のボーダー状のレースが付けられ、綺麗に始末されています。そのような点からも、長年きちんと管理されてきたことが感じられます。アイボリーの色あいで、17世紀末から18世紀初頭の非常に繊細な作りにもかかわらず、傷みのない大変良好な状態です。ヨーロッパでは、こうしたレースは財産のひとつとみなされ、代々一族の女性達が受け継いでいくことが常でした。300年以上前のレースとは思えない大変良好な状態です。この時代のこのクラスの上質なレースが巡り会うことは、21世紀の現代では非常に稀です。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめ、古いレース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

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