インド更紗を思わせる模様、18世紀前半のボビンレース
ブリュッセルレースはフランドルを代表するレースとしてあまりにも有名、1720年〜1730年代と思われるブリュッセルレースのボーダーです。同時代のレース全般に見られる、当時ヨーロッパで人気だったインド更紗を思わせるエキゾチックなデザイン。3.7cmの細巾ですが、その時代らしいペイズリーやお花、羽を思わせる模様が織り出され、バンシュによく見られる雪柄も細工されていて(雪柄は中央に穴の空いたパートリッジ・アイ(ヤマウズラの目)になっています。)、十分に見応えがあります。
ほぼグラウンドの無い密度の高いレースで、透けるほど薄いトワルの部分からもこの時代ならではの非常に細い糸で織られている事が分かります。当時、こうした繊細なレースを織ることが出来る優秀なレース職人がいたことはもちろんですが、そのレースに使うための極細の糸を撚ることが出来る職人も存在したということでしょう。(当時、レース糸に使われていた麻の品種は、その後絶滅してしまったため、現在では存在しません。)
裾部分には極小のピコットがも比較的綺麗な形で残っていて、その当時に三箇所ほどつなげたあとがありますが、精緻に柄合わせされていて、容易には分からない見事な仕事振りです。片側の端は切れっぱなしですが、もう片方は三つ折りで始末されています。経年変化によるごくごく薄いしみがありますが、大変良好な状態です。
18世紀のレースは非常に貴重になってきています。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古いレース特有の味わい深い
レースです。
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