可憐な薔薇の蕾模様、侯爵夫人の婚礼用ハンカチ

薄いローン地の周囲に、美しい若い女性の隠喩である薔薇の蕾模様。その周囲に、ニードルによる様々な繊細な透かしのフィリング、ハンカチの周りは、ホワイトワークのハンカチでは一般的なハンドのヴァランシエンヌレースで飾られています。生地の部分の一角には、“P”と“A”をお花と組合せ、「侯爵」を意味する王冠を掲げたモノグラムが繊細なサテンステッチで刺繍されています。当時、こうしたハンカチはいわゆる手に持つアクセサリー。若くして侯爵夫人となった女性の婚礼のために誂えられた美しいハンカチです。

ラティスを背景に細やかな薔薇の蕾模様、その外側に10種類以上のパターンのニードルによる透かしの細工、その周りはびっしりと極小のステッチで埋めつくされています。ハンカチの周囲を飾るヴァランシエンヌレースも、釣鐘草を思わせるお花模様が細工されています。

このようなホワイトワークのハンカチは、当時、フランスの一大レース産地だったアランソンで作られたと伝えられていて、確かに透かしの部分の細工はアランソンレースの細工を思わせます。この時代にしかあり得ない、手仕事の粋が凝縮された貴族に由来する美しいハンカチです。まるで新品のようなコンディション、大変良好な状態です。

絵のように飾っていただけるため、額装がおすすめです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にお問い合せ下さい。

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