贅沢な広巾、様々な植物が写実的に表現された
ブリュッセル・アプリカシオンのラペット
17世紀からベルギーのブリュッセルで作られていたボビンレース、ブ
リュッセルレースですが、長い年月の間に様々な変遷をとげ、19世紀にはそれまでのドロシェルグランドではなく、このようなチュールネット地に、ボビン
レースで織ったパーツをひとつひとつアプリカシオン(アップリケ)したブリュッセル・アプリカシオンという形になりました。こちらはポワン・ド・ガーズと
並び19世紀のベルギーを代表するレースです。
こちらは贅沢な広巾、様々なお花がボビンレースで細工された百花繚乱の美しいラペットです。ラペットの縁には大輪の薔薇模様、その花びらにはまるでビーズ
が付けられているようなドットの細工、花芯にはボビンによる透かし細工。ラペットの一番端には螺旋模様のフレームに囲まれたレースフラワー(芹)を思わせ
るお花が。その上には薔薇と小花のスプレイ、更にその上には小花やスミレを思わせるお花のスプレイが連なっています。それらの模様の周囲のネットには点々
と愛らしい小花模様が散らされてます。ボビンによる様々なお花模様が写実的に表現された、お花好きの方におすすめのレースです。
タイなどとして実用も可能、19世紀のベルギーレースをお楽しみいただける大変良好な状態のアイテムです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
ラペットは17世紀末に登場する髪飾りの一種で、結った髪から首筋をひらひら飾るエレガントなアクセサリーです。当時の肖像画(「皇帝フランツ一世、女帝
マリア・テレジアとその子供達」部分1756年)などでもその使われ方を確認することが出来ます。フランスではバルブ(髭)と呼ばれ、17世紀に登場した
際には二本に別れたものでしたが、年代と共に形が変化し、19世紀には一本につながった形が主流となりました。
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