L-105-15
ヴェネチアンレース(グロ・ポワン) ボーダー











年代:イタリア17世紀後期もしくは18世紀前期
材質:リネン
SIZE:幅8cm 長さ41cm
(生地のサイズW 45cm×H 22.5cm)

ペア 96,800
(¥88,000)

男性的で彫刻的な細工、ヴェネチアンレースのグロ・ポワン

15世紀末から16世紀初頭にイタリアのヴェネチアでニードルポイン トレースが考案されました。17世紀になるとプント・イン・アリア(空中レース)が発明され、その後プント・イン・アリアからグロ・ポワンと呼ばれる立体 的なレリーフを持つヴェネチアンレースへと発展しました。17世紀中頃、最盛期を迎えたヴェネチアンレースは、ヴェネチア商人の手で北の貿易都市アント ウェルペン(アントワープ)を経てパリ、ロンドンなどヨーロッパ中に広まりました。

ヴァネチアンレース(ポワン・ド・ヴニーズ)の中でも立体的なグロ・ポワンのボーダーのペアで、黒い生地に縫い留められています。唐草とザクロを思わせる 模様で、詰め物をした立体的なブロッド(糸の束)によるダイナミックな表現とトワル部分の密度の高い細工、ぎっしりとブランケットステッチで覆われたブ リッド(つなぎ糸)、そのバーの部分がダブルになっている箇所がある点も特徴になっています。

バロックのこの時代らしい立体的で男性的なレースです。この時代のレースの主役は男性です。特にグロ・ポワンは彫刻的な外観が当時の男性の衣服にマッチし たこともあり、貴族の男性が襟元にレースをあしらったり、甲冑と一緒にレースを身に着けた男性像など、肖像画の数々を見ることが出来ます。

そのような男性的なレースではありますが、信じられないほどの繊細な糸で作られたレースで、そのブリッドに付けられた極小のピコットは限りなく繊細、ピ コットにもすべてブランケットステッチが施されています。ルーペでじっと見入ると、300年前のヴェネチアに思いを馳せることが出来ます。

下のボーダーの中央部分にわずかに薄いしみがあるものの、約300年以上前のレースにもかかわらず、バーの外れている箇所もなく、この時代のレースとして はまずまずの状態ではないでしょうか。生地に縫い留められている点も保存しやすいと思います。19世紀よりも前のレースがお好きな方にはおすすめの、古い レース特有の味わい深いレースです。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。

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