L-103-2
ブリュッセル クラバット
 
 





こちらはブリュッセルの「レースと衣装の博物館」の収蔵品で、18世紀初めの身分ある男性の肖像です。


年代:ベルギー18世紀前期
材質:リネン
SIZE:W 21.5cm×H 101cm

308,000
(¥280,000
)

マルタ十字を思わせる模様やエキゾチックな植物模様
高貴な男性のクラバット
17世紀前半から交易により非常に栄えていたフランドル 地方では、優良な麻の産地であったこともあり、ブリュッセルやメヘレン、バンシュ、ブリュージュなどの街でレースを作り始め、17世紀末には、それぞれの 技法が確立しました。18世紀になりエレガントなロココスタイルが流行すると、それに合わせて華麗で軽やかなレースが求められ、それまでのグロ・ポワンな ど重厚なヴェネチアンレースに替わって人気となりました。

こちらは18世紀前期と思われるフランドルのボビンレース、ブリュッセルの男性用のネクタイ、クラバットです。ブリュッセルならではのピエス・ラポルテ技 法(非連続技法)による複雑な模様、巾広の形を作るには膨大な数のボビンが必要なため、半分ずつ作り、中央でつなぎ合わせています。お花や羽を思わせる模 様、どこかエキゾチックな趣の植物模様はレースの種類を問わずこの時代の流行です。中央よりも上に細工された大振りのマルタ十字を思わせる大きな十字模様 も目を惹きます。持ち主と何か縁のある紋章だったのかもしれません。バンシュでよく見られる繊細な雪柄やファイブホールグランドがふんだんに施され、模様 と模様は極小のピコットが付けられた繊細なバーでつなげられています。透けるようなトワルからは、どれほど細い糸が使われているかが推察出来ます。

18世紀は女性よりも経済力のある男性の方が高価なレースを身に着ける時代でした。当時、高貴な男性のステータスシンボルだったクラバットは、地方領主が 葡萄畑ひと山(!)と引き換えに入手したと伝えられています。このクラバットも身分の高い男性のために作られたと思われるレースで、実際には首回りの部分 にシルク地に付け、使うのだと思われます。

縁の小さなピコットが綺麗な形で残っていることから、一度も水に浸かったことのないと思われる大変良好な状態です。是非お手元でルーペでじっくり眺めていただきたいレースです。

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