中が中空になったホロー構造で作られたアール・ヌーボー特有の有機的なフォルム。その立体感のあるゴールドフレームの内側に可憐なすずらんの細工。すずらんの葉っぱは、縁が淡いピンク色を帯びた艶消しのごく淡いグリーンのマットエナメル。すずらんのお花はボタン形の天然真珠とふくりん留めの小粒のガーネットです。葉っぱの縁の淡いピンク色がなんともチャーミング、すずらんモチーフの愛らしいジュエリーです。

うっすらと筋が細工された繊細な葉っぱの表現や、その上にかけられたマットエナメルのデリケートな色合いと質感が魅力的、すずらんをまとめる三日月形の細工にも、手彫りで細やかな刻みが入れられていて、比較的小さなアイテムにもかかわらず、隅々まで繊細な細工がされていることが分かります。下にもボタン形の天然真珠が揺れる魅力的なペンダントです。

このジュエリーが作られた19世紀末、養殖真珠はまだ無く、真珠といえば天然真珠のことを指しました。現代に比べて真珠自体の価値が非常に高かった時代のジュエリーです。

地金は僅かにローズがかった9Kのイエローゴールドで、フレームの裏側に「9K」を示す「375」の刻印があります。また、裏側にはホロー構造特有の極小の空気抜きの穴が2箇所空いています。大変良好な状態です。ご希望の方には別売りで現行品の9K、18Kのチェーンもございます。

ご存じの通り、アール・ヌーボーは19世紀末のフランスを中心に花開いた新しい装飾洋式で、有機的な曲線や植物の模様に特徴があります。当時流行していたジャポニズムからのインスピレーションを受けたことでも知られており、その植物に対する表現などは、私達日本人にも大変馴染みやすいものとなっています。

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