薔薇や忘れな草のハンドペイント、
ピンクのエナメルに小さな星が散りばめられたオペラグラス
アイカップとピントを調整するピントリングはマザーオブパール製。優美なピンクのエナメルに、立体的なパールを模したエナメル盛の細工で囲ったメダイユ形の細工の中に薔薇や忘れな草のお花のハンドペイント。同じく上下にも、エナメル盛りのスカラップ状の中に薔薇と忘れな草が交互にペイントされています。ホワイトの盛り上げが立体的で、可憐な薔薇や忘れな草のハンドペイントが華やかなオペラグラスです。
ピンクの地色のエナメルに薔薇や忘れな草、チューリップ、菫などの様々なお花と小さな小さなゴールドの星が散りばめられた美しいオペラグラスです。エナメル特有のガラス質の滑らかな質感で、沢山の細工が盛
り込まれた豪華なオペラグラスです。
厚みのあるマザーオブパールのアイカップからオペラグラスをのぞき込むようになっていて、中央のマザーオブパール製のピントリングを回してオペラグラスの倍率を調整
します。実際にオペラグラスとしてお使いいただけるコンディションで、オペラやバレエ、観劇など、十分に実用いただけます。
マザーオブパール製のアイカップには、“PASTORELLI
&
CO”のショップ名と“OPTICIANS(眼鏡店)”の文字、“10
NEW BOND
ST(ニューボンドストリート10番地)”の住所が記されています。パストレッリ家は、1790年代から1800年代後半にかけてロンドンで気圧計製造業を営んでいた企業で、ロンドン万博ではその優れた性能により測量機器の部門で賞を受賞しています。ニューボンドストリートは18世紀から続く高級ショッピング街、当時から世界的に有名なショップが軒を連ねていることで有名でした。現在、この“10
NEW BOND
ST”のアドレスは、高級時計のブレゲのショップとなっています。
このオペラグラスはイギリスで作られたものではなく、“PASTORELLI
&
CO”のショップで売るためにフランスから輸出されたものであると考えられます。また、以前、扱いましたフランスの有名オペラグラスメーカー、1846年創業のルメール商会のものと大変似ているので、これもルメール商会のものかもしれません。こちらはケースの下側の金具が欠損していますが、それ以外は良好な状態です。
ターコイズやロイヤルブルーなど、ブルー系のカラーが多いエナメル製品の中で、このようなピンクの色合いは稀有。ブルー系に比べてこうしたピンク系は発色が難しかったのではないかと思います。当時の貴婦人に由来する美しいエナメルアイテムです。彼女たちは桟敷席からオペラではなく、下の座席の「恋のさや当て」をこのオペラグラスで観察していたのかもしれません。
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