生まれたばかりの子供の洗礼式の引き出物として用意されたチョコレートやドラジェのパッケージ、チョコレートボックスです。19世紀の昔からフランス人にとってチョコレートはポピュラーな贈答品のひとつ。洗礼式にも欠かせないアイテムでした。

こちらは洗礼式用のチョコレートボックスの中でも超豪華！きっとブルジョワのおうちの子供のために誂えられた物だったのでしょう。オリジナルボックス付きのシルク製のボックスです。シルク地にエッチング、淡い色合いの着色は手彩色によるものだと思われます。

ボックスの中心には、ガーランドで吊された籠に、洗礼式らしく親鳥と雛をあしらったデザイン。その上側に“7 Decembre 1913（1913年12月7日）”の日にちと、下側に生まれた子供の名前“Pierre（ピエール）”も印字されています。ガーランドは「豊穣」の印、その周囲には愛情を意味する「昼顔」のお花もあしらわれています。

紙製のオリジナルボックスには“SEUGNOT”の店名と“28, Rue du Bac”のアドレスが記されたラベルが付けられています。このアドレスはパリ7区のオルセー美術館のすぐ側。パリの中でも最もクラシックな高級住宅街として知られています。また、“SEUGNOT”は今は存在しませんが、1867年、“SEUGNOT”のパティシエ、アドルフ・セニョ氏により現在のミルフィーユが考案されたことでも知られています。

シルクの光沢が美しく、このままボックスごと絵を飾るよう飾っていただくのもおすすめ、お店でもそのように飾っています。本体もオリジナルボックスも大変良好な状態です。

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