優しい色合い、愛らしい子供が描かれた
ファーミン・ブイセの「花の言葉」
19世紀に活躍したフランスのイラストレーター、ファーミン・フ゛イセによる絵本「花の言葉
」の1ページです。ファーミン・ブイセは有名なお菓子LUの男の子や、ショコラ・ムーニエの女の子のイラストを描いた商業的なイラストレーターとして知られていましたが、こんなロマンティックなイラストも描いていたのですね。
「花の言葉
」は石版印刷(リトグラフ)で刷られていて、初版は1891年。(こちらも1900年前後のものと思われます。)原画は水彩画で、1880年代に描かれて
います。それぞれのページにはお花にちなんだタイトルが付けられていて、愛らしい花の精の子供達が描かれています。
こちらのタイトルは「LE
HOUBLON(ホップ)」で、ビールの原料のホップとタンポポがテーマになっています。フランスではタンポポはサラダにする植物、深皿にたっぷりのタンポポ、それにフォークが添えられています。お皿の中には可愛いタンポポの精の子供達が。左下の子供がドレッシングを手にしているのも見られます。
右側には、ビールの原料ホップに囲まれた可愛いナース姿の女の子が。ビールの入った大きなピッチャーを持っている女の子、腰に手を当ててビールを飲んでいる女の子の姿もユーモラスです。(ビールは元々、病院で病人に飲ませる栄養剤だったのかもしれません。)葉っぱの上に赤いテントウムシが描かれているのもチャーミングですね。
可愛い子供達の表現と、透明感のある優しい色合いが魅力的。テキスト部分の背景にお花の地模様が入れられています。クオリティの高いアンティークプリ
ントならではの印刷技術が感じられる一枚です。(右下にファーミン・フ゛イセ、左下に出版会社のサインが入れられています。)
(フレームは現行品です。淡いブルーグレイのマットをセットし、窓にフレームに合せたくすんだゴールドの飾り縁を付けました。)