■2月某日 曇り
 今回の買付けは、お店番の河村を東京に残し、私ひとりでいつものようにイギリスとフランスを回る旅。ひとりで行くのは慣れているのだが、最も寒い時期の2月の買付けは、ほとんど「修行」の境地。こればかりは何度体験しても慣れるということはない。山のような厚着をするのは当然のこと、カイロを張ったり、手袋は指有りと指無しの二枚重ね、様々なことを試みてきた。かつてイギリスの田舎のフェアでは、防寒着代わりにエアキャップを身体に巻きつけてみたこともある。(これが「超極暖」で汗だくになり、途中で断念。服の下からズルズルと引っ張り出すはめに。)
 そんな時期だけあって、行く前からいつにもなく憂鬱な気分。さらにひとりで行くので、行く前から気合いを入れなければ旅程をこなせそうにない。

 今回はエール・フランスを利用し、パリを経由してまずはイギリスへ入国することになっていたのだが…。パリに到着し、ロンドン便の搭乗が始まり、ゲートを通ったものの、機内の準備が出来ていないとのことで、機内に入る手前でストップされてしまったのだ。そこから待つことしばらく、列は進まず、また全員ゲートの内側にゾロゾロと戻ってきた。「なにごと!?」と地上係員の女性に聞いても、「私達も今指示を待っているところです。」と言うばかりで埒があかない。結局「機材の不具合で飛ばない。」ということが分かり、指示された次のゲートへと皆揃って大移動。

 「本当に今日中に飛ぶんでしょうねぇ!?飛ばなかったら容赦しないよ!」と心の中で毒舌を吐きながら次のゲートへ。かつて経由地のアムステルダムから飛行機が飛ばず、翌日の到着になってしまったことがあるので、本当に飛ぶまで気が抜けない。それから1時間後、無事他の機材で飛べることになり、ひと安心!周囲の人々も、歓声は上がらないまでもほっとしていることが分かる。

 ヒースロー空港に着いたのは約1時間遅れ。そこからヒースロー・エクスプレスに乗り、ロンドン・パディントン駅に着いたのは午後9時半。今回の滞在先は、パディントンから徒歩5分ほどの場所なのだが、ロングフライト後の疲れた身体でスーツケース2個をゴロゴロしながら歩くのは結構堪える。さらに、ホテルに到着したものの、本来使うはずのエレベーターが故障中。部屋から遠いエレベーターを案内され、エレベーターを降りた後もふたつのスーツケースと共に小さな階段を登ったり、降りたり。最後は階段を踏み外し、スーツケース1個と共に階段を転げ落ちるという大惨事の末、部屋に到着。被害が脛に青アザと、転げ落ちた際に壁に頭をぶつけて出来たたんこぶで済んだのは不幸中の幸いだった。

今回のロンドンでの滞在先はキッチン付きのアパートメント。コンロは3口、レンジもトースターも、もちろん鍋釜一式、食器も付いています。

■2月某日 曇り
 今日はまず最初の買付けのクライマックス。今回一番のキツイ仕事だと思われるカントリーサイドの大規模なフェアを訪れる日。朝5時起きで、薄暗い中ホテルを出てタクシーを拾い、ロンドン・キングスクロス駅から列車に乗りカントリーサイドへ。「カントリーサイド」というと聞こえが良いが、その実イギリスのド田舎へ行くのだ。イギリス好きの人々にとっては魅惑的に聞こえる「カントリーサイド」という言葉も、私にとっては「ド田舎のキツイ仕事」というイメージが頭に浮かび、けっして印象が良くない。ことに真冬の戸外を一日歩き回るカントリーサイドのフェアはとにかく寒いので、厚着をしてダルマのようになって覚悟を決めて出掛ける。

 キングスクロスから列車に乗り、自分の予約した座席に座ると、車内は知っている顔、顔、顔。この時点で顔馴染みの日本人アンティークディーラー皆が集結していることが分かり、その後の争奪戦を思い、若干気が重い。列車に揺られること1時間半。駅前からコーチに乗り、寒風吹きすさぶ会場に着くと、コーチから降りたディーラー達は思い思いに会場に散っていく。

 まず最初に早足で向ったのは、お気に入りのフランスものを持っているディーラーがいるストール。いつもはこのディーラーの所から買付けが始まるのだが、今日はなんだかピンと来るものがない。何度も何度も見直したブース内、ガラスケースの片隅にアイボリーの薔薇模様のピンディスクを発見!手に取って見せて貰い、よくよくチェックをし、顔馴染みのディーラーと「ディエップだよね?」「そうよ。」と簡単な会話をして手に入れた。久し振りのアイボリーのピンディスク、嬉しい出物だ。

 その後は泣きたいほど何も見つけることが出来ない。このストールを2回見直し、次のストールへ。ここで、レースの子供服を並べているディーラーがいて、それをひとつひとつチェックしているとその中に可愛いベビージャケットが出てきた!「え?ちょっと!これ可愛い!!もっと早くにこちらにこれば良かった。」と心の中で叫び、表から後ろから必死にチェック。フラワーバスケット模様のモチーフも可愛ければ状態もとても良い。と、同時に縁に白鳥のフワフワした羽毛を付けたボネに気付いた。「これも良いじゃない!!」念のためにディーラーに「どちらも問題ない?」と聞くと、「どちらもとてもコンディションがいいのよ。」とマダム。ふたつともゲット!
 が、そのストールも見つけられたのはそれだけ。すごすごと遠くに見えるストールへと移る。

 寒風に吹き飛ばされそうになりながら、遠いストールに向う。到着すると、比較的高級なものを扱うディーラーが集まっているここはしっかり暖房が入っていて、今度は暑くてたまらない。ここではシルバーのはさみが出てきた!ルーペでチェックするとバーミンガムの刻印、状態も悪くない。少し手入れをすればさらに良く切れそう。欲しかったアイテムだけに迷うことなく手に入れた。
 このストールにはジュエラーが多いのだが、好みの物が見つけられず仕入れられたのはシードパールづかいのブローチ2点のみ。でも、フラワースプレイをかたどったブローチはイギリスらしく、リボンのボウをかたどったブローチは形が魅力的。この3点を手にストールから出てくると、外は吹きさらし。中が暖かだっただけに寒さが身に染みる。

 気まぐれに外のブースを覗きながら歩く。外のブースにもごくたまに掘り出し物があり、(滅多に無いことだが)ラッキーなアイテムに巡り会うことがある。それぞれのブースの比較的高級なものが入っていると思われるガラスケースを一瞥しながら歩いて行く。何軒か覗いた後、ガラスケースの中にオールドヨーロピアンカットのソリテールリングを見つけ、早速見せて貰う。手にしてルーペでじっくり見ると、ソリテールのダイヤはまずまずながら、シャンクの脇石のダイヤと思われた部分は単なる刻みであったことが発覚。「刻みか〜。」と呟き、「う〜ん。」と唸っていると…。ケースの中にもうひとつソリテールリングを発見!こちらは脇石もダイヤ!「こちらも見せて!」と見せて貰い、ルーペで隅々までチェック。こちらの方がソリテールのダイヤも綺麗。何より、ダイヤを留めるふくりんに細工が施されて、石の周りが繊細な金属の彫刻になっているのだ。おまけに"PLATINUM"の刻印入り。プラチナ製のリングは特別感がある。こんな野外のブースでこんな素敵なリングが出てるとは!なんてラッキーな!寒さに震えながらもテンションが上がる。
 途中、昼食をはさみ、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。とにかく会場が広大で、見て回るのがとても大変なフェアなのだ。
 フランス製の貴族柄のオルモルボックスは、なんとこのイギリスのド田舎から!それを持っていたのはフランス物ばかりを扱うイギリス人ディーラー。私が「フランス物っていいよね〜。」と声を掛けると、「ボクはフランスの物が大好きさ。」と胸を張って答える。ボックスを手に取って見せて貰うと、貴族柄は繊細な石版印刷で、とてもデリケートな色合い。コンディションも良い。お値段が悩ましいところだが、ディーラーと一緒に悩んだ末、私の元に来ることが決定。

 アクアマリンのラヴァリエールネックレスは初めて出会ったディーラーから。Y字になったラヴァリエールネックレスは18世紀の古くからある形なのに、実はスタイリッシュで、現代の服装にも合わせやすいデザイン。ガラスケースから出して貰い、ルーペを駆使して隅々をチェック。マリー・アントワネットが好んだというアクアマリン、現代の石とは違った淡いブルーグリーンの色合いも美しい。

 中央にサファイアがはまったシードパールのクラスターリングと、同じくシードパールのスターバーストブローチは顔馴染みのディーラーから。お互いに「あらっ!」と目を見合わせ、「こんな所で会うとは!」と笑顔を交わす。

 サファイアがはまったシードパールのクラスターリングは、サファイアやシードパールを留めるふくりんに施された繊細なミルグレインが美しい。シードパールのクラスターリングはヴィクトリアンの定番ともいえるデザインだが、サファイアは滅多に見ることがない。オーバルの形もエレガントなリングだった。
 星の瞬きをかたどったスターバーストもいつも探しているアイテムのひとつ。手頃なサイズ感が良く、ブローチを探しているお客様用にぴったりだ。

 かつてこのフェアが賑わっていた約20年前には、このミューズと呼ばれる馬小屋の場所もディーラーでいっぱいだった。今は、ポツン、ポツンと数えるばかりで、ほぼカラッポの状態。あの賑わっていたディーラーやバイヤー達はいったいどこへ行ってしまったのか。
 ポツポツ雨が降ってきた。一通りめぼしい場所を回った後は、カフェテリアで駅までのコーチが出るまで遅めのランチ。ぐったり疲れた身体で、イギリスの正体不明な食べ物(たぶんビーフストロガノフ)を食しながらのんびり待つ。

 ロンドンに戻ってきたのは夕刻。今日も朝早くから夕方まで長い一日だった。取りあえずこのハードな一日を乗り越えたことでほっとする。

イギリスのド田舎約10時間の旅!ロンドンに戻って来るとほっとします。この仕事さえ終れば、今回のヤマ場を越えたような気がしていました。この時はまだ…。

■2月某日 曇り
 今日はロンドン市内のアンティークモールを巡るほっとひと息の一日。昨日のハードな一日と、早朝から買付けに出掛け、その後ユーロスターでパリに向う明日の狭間の比較的のんびりした一日だ。

 ひとりには広過ぎるホテルの部屋で右往左往して朝食を取り(広過ぎ、各ドアが日本人の私には重過ぎて、キッチン、リビング、ベッドルームの部屋を行き来するだけで疲れてしまう。)、「出掛けたくないな〜。」とノロノロしながら支度する。

 バスに乗り、今日も一日が始まった。その昔、20年前はとても賑わっていたアンティークモールはアラブ人街の中にある。廃れてしまってからしばらく行くことがなかったのだが、また最近ディーラーが増えて復活していることがわかり、再び行くようになったのだ。露天の青果市場になっているこの辺りにはほとんど白人はいない。いるのはアラブ人の男達とヘジャブを被った女ばかり。イギリスとは思えない風景だ。 

 そんな露天市を通り過ぎ、モールに入る。あてにしていたテキスタイルを扱うディーラーはどこかにホリデーにでも行ったのかお休みでがっかり。その代り、ジュエラーを一軒一軒じっくりと眺める。
 と、あるマダムのところで美しいオパール発見!立体感のある美しい石で、沢山の色の出る遊色効果。そして何より長めのバーブローチという点がスタイリッシュで良い。早速見せて貰い、あ〜でもない、こ〜でもないとルーペでチェックし、マダムにお値段の交渉を持ちかける。が、「あなた、もしこれがリングだったらいったいいくらすると思っているの!?」と色良い返事をしないマダム。「うん、うん、確かにそうね。」と取りあえず頷く私。そしてじっくり時間を掛けて交渉を進め、マダムを籠絡。「これは売らない!」と言っていたはずの付属していたボックスも一緒に入手することが出来た。

 結局、モール内をグルグル歩き回ってみたものの、仕入れたのはこれだけ。途中、ランチをし、再びバスに乗って次の場所へ。

 ロンドンの街中にある幾分高級なアンティークを扱うディーラーが入っているモールへ。ドアマンのいる扉を開け、モールの中へ。高級なジュエリーが主体だが、ごくたまに私の好みと予算にマッチするものもあり、ロンドンにいるなら目を通しておきたい場所だ。今日も顔馴染みのディーラーと挨拶や世間話をしつつ、ウロウロする。

 そんな折、数年ぶりに会うディーラーと遭遇。懐かしさでお互いに「本当に久し振り!お元気だった?」と挨拶。彼女の近況を聞きつつ、ガラスケースの中を物色すると気になるものがふたつ。ひとつは美しいローズカットダイヤのリング、もうひとつはオパールとオールドヨーロピアンカットダイヤを組合わせたリング。聞けばローズカットダイヤのリングは、地金が8Kだと言う。8Kなんてイギリスではまず見ることはない珍しい地金。不思議そうな顔をしている私に「これはたぶんドイツのものだと思う。ドイツは8Kがポピュラーなのよ。」と彼女。中央のローズカットダイヤも美しければ、その周囲を取り巻くオールドヨーロピアンカットダイヤも繊細。思わず見入ってしまう。
 そして、もう一方のオパールとオールドヨーロピアンカットダイヤのリングはオパールの遊色がとても魅力的。オパールとオパールの間にセットされた小粒のオールドヨーロピアンカットダイヤ2石も効果的に光るリングだ。そして、指にはめてみるとしっくりしたはめ心地。おまけに刻印もしっかり残っている。今回はこの2点を入手し、いつもお世話になっているレースディーラーの元へ。

 実は翌日も別な場所でこのレースディーラーに会うことのなっているのだが、毎回こちらに顔を出すのも習慣になっている。私の顔を見るやいなやすぐに私の気に入りそうなアイテムを出してくれる彼女。今日は彼女にすすめられるままノルマンディーレースのドイリーセットと同じくノルマンディーレースのテーブルセンターを。ドイリーセットはどれも繊細、テーブルセンターはごくごく繊細な手刺繍とボビンレースの組合せ。ノルマンディーでハンドのレースが組み合わされたものは比較的珍しい。ことに手刺繍の部分に眼が釘付けになってしまう。彼女とはまた明日会うことを約束し、今日の仕事はおしまい。気付くと、今日もまた夕方になってしまった。

2月のロンドンの冬枯れの風景。寒さと殺風景な景色で冬のロンドンにはあまり良い思い出がありません。

■2月某日 曇りのち雨
 早朝から買付けに行き、午後にはパリへユーロスターで出掛ける今日もまたハードな一日。広い部屋のあちらこちらに置いてあった荷物をまとめ、初日に転がり落ちた階段で2個のスーツケースを降ろし、エレベーターに乗せ1階に降りる。外は真っ暗だが、レセプションには人影があり、すぐにチェックアウトとスーツケースを預けることが出来た。
 イギリスの真冬の午前6時過ぎはまだ夜。いつものように外に出てタクシーを拾う。

 まず訪れたのはいつもお世話になっているジュエラー。娘のマダムの方がジュエラーで、母親の年配のマダムがアシスタント、というかセキュリティーのためにいつも一緒にいて、常に目を配っている。着くやいなや二人に挨拶をし、ガラスケースの中から気になるものをいくつか出して貰い、ルーペで眺め回す。その間、私がいつもここで選ぶシールのトレイを出してくれる。いくつかのジュエリーの中から輝きの美しいダイヤのクラスターリングを。ただダイヤが綺麗なだけでなく、ダイヤをセットしたふくりん部分にびっしり施されたミルグレインに心惹かれたのだ。それにアザミと鳩のインタリオのシールふたつ。今日のここでの戦利品はその3点。再び挨拶をし、次へと急ぐ。

 本来ジュエリーを主体で扱う彼だが、私の好みをよく知っていて、アポイントを入れておくとジュエリー以外のものも、持って来てくれる。今日、彼が私のために持って来てくれたのはレース2点。広巾のポワン・ド・ガーズのボーダーとロザリンペルレのテーブルクロス。どちらもレースディーラーが持っているレースよりもクオリティーが高い。「なぜあなたがこんなの持ってるの!?」と口走りつつ、レースをチェック。ポワン・ド・ガーズは非常に状態が良く豪華、こんな大振り、しかもテーブル周りのロザリンペルレなんて見たことがない。「これ!これ!これにする!」とテンションが高くなる私。それにエナメルボタンも一緒にいただくことに。ジュエラーの彼なのに、「ジュエリーは何も買わずにごめんなさい。」と言った感じだ。

 ソーイング小物を扱うマダムにも、事前に何度かメールを送ったのにもかかわらず、今回は返事が無く「どうしたものか?」と思っていたら…「ごめんなさい!孫の世話で忙しくて!」と顔を合わせるやいなや、まず謝られた。そういえば彼女はメールが得意ではなかったのだ。「でも、あなたのリクエストはこれでしょ?」と出てきたのはシルバーのシャトル2点とマザーオブパールのタンブルフック。「そうそう、こういうのが欲しかったの!」と心の中で叫び、状態をチェックする。皆、私の好みを分かっていてくれて本当にありがたい。今日はこの3点にめうちやカギ針も。

 長年ボタンのみを専門に扱ってきた年配のボタンディーラー。いつもは夫婦揃っているのに、今日はマダムの姿が見えない。そういえばここ最近、マダムは病み上がりのような雰囲気だった。そして何より前回と商品がほとんど変わっていない。ディーラーに「マダムは?」と聞くと、「彼女は今病院で。」という返事。やはり入院中だったのだ。もう彼らがここで仕事をするのも長くないかもしれない。私がこの仕事を始めてからずっとお世話になってきた彼ら。淋しい気持ちでいっぱいになる。

 ヴァランシエンヌのハンカチやタティングレースのアイテム色々もいつもお世話になっているディーラーから。ヴァランシエンヌのハンカチは「豊穣の角」の模様。ホワイトワークのハンカチの縁にはお約束のようにヴァランシエンヌがあしらわれているが、これはヴァランシエンヌレースで魅せるハンカチ。「ボビンレース好き」さんにおすすめのレースだ。ディーラーからは「もうタティングを探すのが凄く大変で!」と毎度のお言葉。今回出てきたのは、繊細な襟と作りかけのストールのような大きなアイテム。皆ありがたくいただく。

 途中、休憩を挟み5時間ほど。仕事の終わりが近づいてきた。それはもう買付け資金が尽きてきたということ。最後の最後に向った先は、いつも憧れて買えなくてもジャストルッキングしている素晴らしいフランスの工芸品を扱うディーラー。そこはフランスものの宝庫で、自分が買えるものは無いのだが、勉強のために毎度見せていただくところ。そうしたら出会ってしまったのだ!ずっと探していたアイテムと。

 それは私の大好きなエナメルアイテム、エナメル製の気付け薬入れだ。ずっと昔にフランスで出会って、一度だけ買付けた事がある。長らく探していたのだが、まさかフランス製のそれとイギリスで出会うとは!ディーラーに見せて貰うと、小さな女の子が薔薇のガーランドで縄跳びしている愛らしい模様のハンドペイント。様々な倍率のルーペを駆使してチェックするも、どこも問題は無い。マダムは私にゆっくりとフランス語訛りの英語で説明してくれるので、「あなたフランス人なの?」と聞くと、"oui! oui!"のお返事。「なるほど、だからフランス物を扱っているのね?」と私。その後、マダム、ムッシュウと一緒にその愛らしさを語り合う。残っていた最後の資金をすべて投入し、自分の物にした。

 これでイギリスに来た甲斐があったというもの。思いがけず長年探していたものが手に入って嬉しい。これにてイギリスでのお仕事終了。歩き回り、沢山の物を見て疲れ切った身体をタクシーのシートに横たえ、荷物を預けているホテルへと向った。今日のこの後の予定は、荷物をピックアップし、ユーロスターの出発するセントパンクラス駅にタクシーで向うこと。夕刻にはパリに到着だ。

ユーロスターに乗る前のいつもの一杯。セントパンクラス駅のラウンジにあるキャフェでひとり「お疲れ様!」と飲むのが習慣です。


懐かしいパリの風景。いつもの滞在先、オデオン座周辺に来るとほっとします。

■2月某日 曇り
 フランス買付け一日目。久々の寒波到来!パリの本日の最高気温は4℃、最低気温は?2℃の予報。そんな気温の中、今日はほとんど戸外で買付け。こんな苦行のような買付けは久し振り、持っている物をすべて着込み、身体にカイロを貼り付け出発!

 まずはアポイントを入れておいた彼女のところ。いつも何かと気遣いしてくれる彼女、今日も訪れると私用の大きなボックスを「マサコのよ!」の言葉と共にドンと私の前に出してくれた。
 早速ガサガサと物色を始める私。中からは可愛い卵形のパニエや同じく卵形のシルクボックス等など。セルロイドの祈祷書も繊細な細工が良い。そして、ボックスの奥底からアングルテールとアプリカシオンのボーダーが。普段、上質なレースをあまり扱っていない彼女だが、これはとても良いレース!他にも、私のために取っておいてくれたベルベット生地が2点。フランスらしい鮮やかだが、日本には無い微妙な色合いだ。常にお人形の衣装用の生地を探している私には嬉しいアイテム。状態も良い。

 彼女によくお礼を言って、その場を離れると、次はメトロに乗って別の場所へ。いつもだったら、パリよりもロンドンの方が幾分か寒いのだが、今回は珍しくロンドンよりもパリの方がずっと寒い。戸外にいると心が折れそうな寒さだ。

 いつもお世話になっているテキスタイルを扱うディーラーは、ここ最近はすっかり慣れて、私が尋ねるとニッコリ笑顔。そして私の欲しいものもよ〜く把握していて、「こんなのは?」「これはどう?」とあちこちをゴソゴソしてシルク生地を出してくれる。今日は19世紀の織り生地2点。どちらも安くはないが、なかなかお目にかかれないシロモノ。お人形作家の方々のお顔が頭に浮かぶ。

 長年お世話になっているジュエラーも顔馴染みの一人。毎度必ず買付ける訳ではないが、チェックだけは欠かさない。今回もあれこれ出して貰うも、どれも決め手に欠け「う〜ん。」と唸っていたその時…。ガラスケースの中に「これだったら欲しい!」と思うものが!それは美しいオパールがセットされたアール・ヌーボーのネックレス。早速見せて貰うが、今度は予算オーバー。まだパリでの買付けが色々待っているので、ここで一気に使ってしまう訳にはいかないのだ。
 気に入ったが買い切れない。」という私の様子が分かったのか、「後日、欲しかったら電話して。あなたのホテルまでデリバリーしてあげるわ。」と彼女。改めてネームカードを交換し、ネックレスに心を残しつつ次の場所へ。

 次は必ず訪れるオルモルのアイテムばかりを扱うマダム。ここは上質なオルモルばかり、実は、以前から気になっていたフレームがあり、もう一度見に来たのだ。それはオルモルの中に手描きのポーセリンがはめられたフレーム。「長年この仕事をしてきて、完品なのはこれだけよ。」と年配のマダム。「後のものは、みんな割れていたり、欠けていたものばかり。」と続く。いま一度チェックすると、確かに状態は良い。が、けっして安くはない、ここからはマダムと私の真剣勝負。長々お値段を交渉し、やっと交渉成立した時には、私もそうだが、マダムもどっと疲れていたはず。

 アプリカシオンのハンカチとボーダー、そして紫のダマスク織りはこのところ毎度立ち寄るマダムのところから。そして、18世紀のメヘレンのボーダーは衣装を専門に扱うマダムのところから。どちらも年配で迫力のあるマダム達。自分も歳を取って、「こんな風になりたいな。」と思えるお手本だ。18世紀のレースは、「これはルイ15世時代のレースだから、同じ時代のルイ15世様式の家具にしまってあったのよ!」と自慢気に取り出された。この時代のレースは本当に繊細。マダムから手渡され、思わず見入ってしまった。

 寒い中、様々なものを見て歩く。誰もが寒そうで、半分心折れかけている様子だ。(笑)最後にもうひとり、アポイントを入れた先へ。

 ここにも心折れかけている人が!物凄く寒そうなマダムから、でもシルクリボンやコットン生地、ブリュッセル・ミックスの生地などをぎっしり詰まった彼女のブースから、必死で選び出す。(実はぎっしり詰まった中から商品を取り出すのが一番大変!)最後に私が選び終ると、寒さに耐えられなくなったマダムはお片付け。私も今日のお仕事はここまで。

パリの暗闇に浮かび上がるコローの「真珠の女」。現在のパリのアートシーンではコローがブームなのでしょうか?美術雑誌ポスターですが、街並みに調和していてとてもシックでした。この時まではまだ「最終日のオフはルーブルでも行こうかな。」と思っていました。

■2月某日 雪
 今日の予報ではパリの気温は2℃、そして雪!でも、今日も出掛けねばならない。私の中では過去最高に厚着をし、今日もあちこちにカイロを貼り付け、超ブルーな気分で出発!既にパリの街には小雪が舞っている。キーンとする冷たい外気の中、気合いを入れて足を踏み出す。

 今日、訪れるのはヴィンテージコスチュームとアンティーク素材のデパートのような場所。ここで長時間かけて様々な素材を選ぶのが今日の主な仕事。ここは戸外ではないので寒くはないが、ここに向うまでが寒い!そして、あまりに多い在庫の中から、私好みの物を見つけ出すのは、まるで大海から真珠一粒を見つけ出すような気持ちになる。

 今日も荷物を預かって貰い、見つけたものを入れるカゴを渡され、いざ出陣!ガサガサと沢山のリボンの束をチェックし、様々なビーズの小袋が入っている大きな箱の中からひとつひとつ取り出してみてはチェック。一つ箱が終ると、また次の箱へ。いったいいくつの小袋を見ただろうか。私が探しているのは、小さなマイクロビーズや中空になったスフレビーズ、それから金属で出来ているメタルビーズ。それらを箱の中から探していく。

 リボンも様々な年代、素材の中から、19世紀のシルクリボンで、織柄のもの、ほぐし織りのものを主に探す。「わっ!これ素敵!」と思ったものはやけにお値段が高かったりするので、その点も考慮に入れ、絶対欲しいものしか選ばないことにしている。今日もガサガサと選んだリボンを最後に厳選。今日はブルーとピンクの柄織のリボン、お人形の材料に使えそうな薄手のシルクリボン、美しいブルーの織り生地のボーダーを選んだ。
 その後は、さらに生地を。倉庫のような場所のあちらに行ったり、こちらに行ったり、ブルーのシルクモアレや薄いシフォン、真紅の織り生地などこちらもお人形に向いた生地をチョイス。

 そこで何時間か選んだ後、外に出てみると、驚く事にもう雪が積もっている!まさかの出来事に道をそろそろと転ばないように歩く。雪の降るパリも珍しいが、雪が積もったパリなんて、20年以上買付けに来ていて初めての経験だ。

 さらにもう一軒で、いつも選んでいるメタル素材を。お人形の素材などでうちでは人気のあるメタル素材のブレード。未使用の在庫を多く持っているディーラーのところで、補充しなければならないものを選ぶのだ。
 いつものように挨拶をし、在庫を地下倉庫から出して貰う。地下倉庫から大漁の素材を出して貰ったものの、私が欲しいタイプはなかなか見当たらず、僅かに仕入れただけで断念。

 雪の中、再びまた別の場所へ。毎回買付けの度に探しているアイボリー製品が今回はほとんど見つけられていなかったのだ。イギリスではアイボリーの販売禁止の法案が議会にあげられていて、「今後、取り扱いが難しいかもしれない。」とイギリスのディーラーから聞いていたので、「せめてフランスで!」と思いながら探していたのだが、今回アイボリー素材のジュエリーも出会えなければ、その他の工芸品も皆無。唯一見つけることが出来たのは、買付け初日に手に入れたアイボリーのピンディスク。もう少し何か見つけたいところだ。

 雪が降りしきる中、また今日も寒さとお天気に心折れたディーラー達が次々に仕事を終えて去って行く。と、そんな中、まだ立ち去っていない、いつもアイボリー製品を譲って貰っているディーラーとバッタリ出会った。「え!?まだいたの?」と彼のガラスケースの中を覗くと、目的だったアイボリーアイテムが!それは薔薇やスミレの花々が彫刻されたアイボリーの丸い小箱、ボンボン入れだ。すぐさまガラスケースから出して貰い、ルーペで隅々までチェックするもどこにも問題は無い。それどころか、ふたと本体の合わせ目が非常に薄い細工で、しっかりと閉まるようになっている。「これ!これ!これにする!!」と心の中で叫び、帰り支度をしていたディーラーから譲って貰うことが出来た。

 私の仕事もこれで終了。歩き慣れない雪道を滑らないように注意しながら帰路についた。

あっという間にこの有り様!すぐにツルツルに凍ってしまった道を歩くのに、雪道に慣れていない私は細心の注意を払ってソロソロ歩き。


今日はいつも羨望の眼差しでウィンドウを眺める近所の花店stanislasdraberに初めて足を踏み入れました。華やかなチューリップがウィンドウを彩ります。


外は寒くても、ふわふわのミモザのお花は心の中に春を呼ぶようです。


寒さで疲れ切った心と身体を癒すため、ずっと以前から買ってみたかったスミレのブーケを入手。それだけでホテルのお部屋が和みます。

■2月某日 曇りのち雪
 帰国するのは明日の晩だが、明日はオフなので、今日が買付け最終日。今日も予報は最高気温1℃。雪こそ舞っていないが、道路は今日もツルツル。嫌々ホテルから出て、オデオン座の坂道を慎重に慎重に降りてくる。日本でもこんな道を連日歩くことがないが、今日はアポイントを入れているディーラーがいるため、なんとしても行かねばならない。

 久し振りに会う彼女とは挨拶の後も近況報告など楽しいおしゃべりが尽きない。そしてそれがひと段落すると、目にぐっと力を込め、私のために持って来てくれたものを順々にチェック。大量の品物を一点一点、ランチを挟んで夕方までチェックするのが常だ。まず今日出てきたのは、お願いしていたジュエリーボックス。大振りで、中にリングホルダーなどのトレイが内蔵された豪華なものだ。他にもロココや上質なレースが。広巾のメヘレンは今まで見たことのないゴージャスなもの。そして、繊細な鷲の刺繍が施されたちさなクッションはナポレオン三世に由来するものか?リボンをかたどった大振りなモチーフも私の好み。

 他にもいったいいくつのレースを見ただろうか。最後に豪華なポワン・ド・ガーズの襟をチョイスし、気付くと夕刻。またしても吹雪いてきた。今日はさっさと帰った方がいいようだ。沢山の商品を用意しておいてくれたディーラーに良くお礼を言い、再びツルツル滑る道を大きな荷物を背負って帰る。人でいっぱいのバス停で、荷物を物ともせず流されるままバスに乗り込む。

 最後にちょうどぴったりの資金を余らせた私は、ホテルに戻ってきてから、先日、「ホテルまでデリバリーしてあげるわよ。」と言ってくれたジュエラーに電話。先日迷った末置いていったアイテムをホテルまで届けて貰うのだ。彼女の返事はOK。明日の朝、来てくれるという。
 その後は、明日の夕方に乗る空港へのタクシーの予約。何が起きるか分からないので、午後11時25分の飛行機の乗るのに、6時間前に予約。これぐらい早めに予約していても何が起こるか分からないこの国では心配だ。

 今日はパリで過ごす最期の晩。ということで、パリ在住の日本人の友人とお食事の約束が。デパートのフランス展などでお仕事が一緒の彼女。偶然私の常宿から徒歩3分の場所に住んでいることから、買付けの度お食事することが常なのだ。どんどん降りしきる雪に心配になって連絡したものの、札幌生まれの彼女は「大丈夫ですよ!」と明るい返事。そして、待ち合わせ場所にもまるきり平気な顔で現われた。私はといえば、「このまま降り続けば飛行機が飛ばないかも…。」という心配で気が気ではない。明日の飛行機がキャンセルになれば、2〜3日は帰ることが出来ないかもしれない。そんな私の顔色に「マサコさん、憂鬱なんじゃありませんか?」と彼女。そういう彼女は、三十数年振りの雪のパリにルンルンなのだ。「お願い、無事飛ぶことを祈っていて!」と私。その晩は彼女推薦の美味しい中華でお食事。

 その晩は、夜遅くまで何度もインターネットで飛行機の状況をチェックする。が、私が起きている時間は、その日の羽田行きの飛行機が飛んだ様子は無かった。

最後の晩はこの通り!雪の降るパリも初めてならば、雪の積もったパリも初めて。どんどん積もる雪に、不安が募るばかり。

■2月某日 曇り
 朝起きると、外はさらに銀世界に!昨日よりも確実に積っている。そして、昨晩何度も調べた飛行機は定刻の数時間後になんとか飛んだようだ。ついでにJALや大韓航空も調べるが、皆一様に飛んでいた。その事実に少し安心しつつ、でもまだ楽観は出来ない。念のため、ホテルのレセプションで夕方まで部屋を延長出来ないかと聞いてみると、いつもお世話になっているマドモアゼルは「午後1時までなら…。無料でいいわよ。」とありがたいお言葉。これで少しのんびり出来そうだ。

 外は凍ってツルツル。「こんな日にホテルまでジュエリーを持ってこさせるなんて、まるで鬼のようだ!」と自分に呟きつつ、外に出来ることも出来ず、ホテルで朝食を食べる。レセプションで待っていると、モコモコに着込んだマダムがやって来た!

 「こんな日に来てくれてありがとう!ごめんね!」と私。「大丈夫よ!」とマダムはニッコリ。バッグの中からは布に包まれた件のネックレスが出てきた。マダムに残っていたお金を渡して迅速に商談成立!その後も、次に来る日程や、欲しいもののリクエストなどを聞かれ、こんな大変な日にわざわざ届けてくれたマダムとは今までよりもさらに間柄が狭まった気がする。そんなマダムとは初めてハグをして別れた。

 これでやっと自由の身になれたのだが、雪道にまったく慣れていない私は、このツルツルの中、転ぶのが怖くてどこにも行く気が起きない。2〜3日前までは、「最終日のオフの日はルーブルにでも行こうかな。」などと言っていたのが嘘のようだ。パリの街は市バスも運休で、動いているのはメトロだけ。「スタッドレスタイヤ」などというものに縁のないパリの人々は車に乗ることも出来ず、道を走っているのはタクシーだけ。そのタクシーのタイヤも雪道用なのか、チェーン装着なのか不明。でも夕方まで時間はたっぷりあるため、取りあえずご近所に散歩に行くことに。

 まずは裏手のリュクサンブール公園へ。雪で真っ白のリュクサンブール公園は、保安上の問題なのか今日はクローズ、柵のこちらから中を見ることしか出来ない。その様子を写真に納め、次はサン・シェルピス教会へ。いつもだったら、あっという間にたどり着くサン・シェルピス教会も、一歩一歩注意深く歩くといつもの何倍も時間がかかる。ここでも記念撮影!こんな光景はもう二度と見ることがないかも。そんな風にご近所を一通りそろりそろりと歩くと、いつもだったら僅かの時間で済む散歩もびっくりするぐらい時間がかかる。最後に馴染みのキャフェでお昼ごはん。

 結局、どこに行くでもなく、ホテルに戻ってきて、チェックアウトし、レセプションの椅子に座って読書をしながらタクシーを待つ。「こんなことだったら、朝便で帰れば良かった。」などと心の中で呟きながら。今日はまずまずのお天気だが、だからといって無事に空港に着き、飛行機が飛ぶまで気が休まらない。

 夕方、時間通りに来たタクシーに「今日は忙しかったでしょ?」と尋ねると、「もうほんと、その通り!」とドライバーはちょっと疲れた風。でも、一旦運転を始めると、タクシー以外の車が走っていないため道は空いていて、特に問題なく空港に着いた。が、空港はごった返し、昨日空港に来ることの出来なかった人(空港へ行く郊外高速鉄道RERも運休していたらしい。)、そしてやはり飛ばなかった飛行機もあったのか、キャンセル待ちの長い列が連なり阿鼻叫喚の有り様。さっさとチェックインを済ませ、地上係員に「本当に飛ぶんでしょうねぇ?」とダメ押しし、ゲートに入ってラウンジへ。大丈夫!電光掲示板も問題ない!私の乗る飛行機は"on time"になっている。そこで安心からかシャルル・ドゴール空港のラウンジ名物シャンパーニュ(他所の空港のラウンジと違って、ここは景気良くシャンパーニュがクーラーにボコボコ刺してある。)をゴクゴク飲んでいるうちに、ほっとしたのか激しい睡魔が襲ってきた。せっかくここまでたどり着いたのに、ここで寝ては大変!最後の最後に睡魔との戦いに打ち勝ち、機上の人へ。飛行機には、雪で機内食工場から空港へデリバリー出来なかったらしく、通常の機内食は乗っておらず、ビスコッティなどの乾き物とパテの小瓶などなどという簡素な機内食だったけれど、ラウンジで散々飲み食いした私には問題ナシ。無事に帰ることが出来て本当に良かった!

リュクサンブール公園はこの通り真っ白!保安上の理由かこの日はクローズされていました。


真っ白な雪に赤い実が良く映えます。ソロソロ歩いてご近所を散歩。


サン・シェルピス教会の前の広場の噴水もコチコチ、そして下の石畳はツルツル。歩くのも恐怖でそそくさと退散。


極寒の買付けもこれにて終了!とにかく寒くて雪が降ったことしか記憶に残っていません。(笑)


***今回も長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。***