〜後 編〜

■3月某日 晴れ
 今日は正午近くにならないと目的の場所が空かないため、比較的のんびりした朝。実は、昨日仕入れ先で仲良しの日本人ディーラー夫妻に会ってお食事を誘われたのだが、タイトなスケジュールの今回は、「時間が無くて無理です。」とお答えするしかなかったのだ。毎度誰かとお食事する機会があるのだが、今回は残念ながら無理…と思ったのだが、「夕食は無理でも朝食なら大丈夫だ!」と思い浮かび、朝からすぐに電話。無事電話がつながり、1時間後にパサージュ・ジュフロワのサロン・ド・テで朝食を食べることに。大急ぎで支度をしてバスに乗って出掛ける。
 私のわがままな提案にRさんとY子さんのカップルは既にサロン・ド・テに到着していてくれた。それぞれカフェ・クレームやパン・オ・レザンを注文し、おしゃべり。ほんの1時間程度だったが、久し振りの、それもパリでの再会に、心和むひとときだった。遅めの朝食を食べた後は彼らと別れ仕入れ先へ。

 まず最初に向った先は服飾モノ一連を扱うディーラー。20世紀初頭からのドレス類、シューズ、バッグ、そして私が仕入れる様々な素材を扱い、その在庫たるや膨大!映画のために衣装を貸し出すことも多々あるという。私達は素材しか興味が無いが、それだけでもリボン、ブレード、お花、様々な生地のサンプル、とにかく凄まじい量があり、一人の買付けの時にはチェックするだけでも気がくじけそうになる。でも今日は河村とふたり、手分けしてチェック。システマチックに並べるため、シルクリボンなどデリケートな素材もすべてフランスの巨大ホッチキスに台紙で留められていて、その大雑把なメンタリティにドッキリするのだが、その反面「これだけの数があれば商品として出せるように整理するだけでも大変。仕方ないな。」とも思う。今日もそれぞれチェックした物を渡されたスーパーの買い物カゴ(!)に入れていく。在庫は膨大でも私達が欲しい物がザクザク出てくる訳ではない。膨大な在庫に囲まれること2時間近く、その中から状態の良い素敵なシルクリボンやお花を見つけ出した。あと、素敵な紫のシルクベルベットも。

 もう一軒、デッドストックのデパートともいえるべきこちらも膨大なデッドストック品で商売をしているディーラーへ。ここには誰でも知っている日本の有名セレクトショップもよく買付けに来ていて、大量にデッドストック品を買付けしている横で「ふ〜ん、こういう所で仕入れをしているんだ。」とか「いっぱい仕入れられていいなぁ。」と思うことも多い。でも、私達が欲しいのは沢山の量ではなく、選りすぐりのひとつしかない物。お店を任されているマネージャーのマダムはその辺りのこともキッチリ理解してくれていて、たまたま出てきた僅かな量のおすすめの物をキープしておいてくれるのだ。
 今日出てきたのは、お客様からのリクエストがあったゴールド素材のタッセル等々。リクエストいただいたものが手に入ってほっとする。他にも何軒か回って今日の第一部は終了。第二部の次の場所へ。

 第二部の場所とは、私達が「紙物フェア」と呼んでいる紙物に特化したアンティークフェアだ。以前だったら気合いを入れて訪れカードを物色していたものだが、良いカードが手に入らなくなった昨今、それを目指して買付けに来ることがなくなってしまった。でも、今回はちょうどスケジュールが合ったため、「ひょっとしたら紙以外の物も出ているかも。」と一応行ってみることに。「紙物フェア」の会場まで距離的には近いのだが、メトロで行くといくつも乗換が必要で複雑で遠い。そんな時、「確かバスのルートがあったかも!?」と思い浮かびバスで行くことに。
 こうした展示会場で開催されるアンティークフェアは有料な事が多い。今回ももちろん有料、だが、会場に着いて入場しようとすると見知らぬムッシュウから呼び止められ、余っていたチケットをいただいた。ラッキー!

 会場に入るとまず最初に会ったのは長年お世話になっていたカードを扱うディーラーのマダム。以前は彼らのオフィスまでよく足を運んだものだったが、ここ最近はずっとご無沙汰。震災が起こった時にFAXで安否を尋ねてくれたのも彼らだ。彼らと会うのもそれ以来だから二年以上会っていなかったことになる。彼らから仕入れる物が無くなってしまった今、それでもマダムは私達の顔を見て笑顔になり、「あなた達と会えて嬉しいわ!」と言ってくれた。そんな彼女の手を握りしめながら「私もよ!」と答える私。彼らと初めて会ったのは17年前のこの場所。マダムの顔を眺めながら「お互い歳を取ったなぁ…」と感慨深い。
 会場を回ると私達ふたりを覚えていたディーラー皆に呼び止められる。しばらく会っていなかった旧友に会ったみたいで嬉しい。ただ、以前は沢山出店していたカードを扱うディーラーはぐっと数が減り、目当てにしていたベルギーから来るディーラーも出店していなかった。それこそ17年前に初めてこのフェアに来た時にはポストカードもトレードカードも溢れていて、ボン・マルシェのカードに特化したディーラーもいくつも出店していて、紙物の広大な世界に目眩がしそうだったのだが、今出店しているのは高価な書籍を扱うディーラーばかり。ということは世の中から美しいカードは減り、それで商売していたディーラーが減ってしまったということだ。結局、ほんの僅かなカードを仕入れて会場を後にした。

パサージュの中の古書店のウィンドウ。古書店にはなぜかこのシュールなお人形がディスプレイされている事が多いのです。30年代位のもの?う〜ん、不気味ですね〜。


仕事帰りに立ち寄ったラデュレのウィンドウサンジェルマン・デ・プレのラデュレの前はしょっちゅう通るのですが、いつも忙しくて未だ中に入ったことはありません。


なんともデリケートな色合い、綺麗な色のシューズ。サンジェルマン・デ・プレ界隈にはお洒落なお店がいっぱいです。


食卓が楽しくなるようなSABREの食器。素敵にディスプレイされたウィンドウに毎度思わずカメラを取り出してしまいます。アンティークではないけれど、普段使いには良いかも。

■3月某日 晴れ
 今日は比較的朝からのんびり、近所の行きつけのキャフェでゆっくり昼食を食べ、アポイント先のディーラーの元へ。なかなかのんびりした時間の取れない買付けで、朝から外をぼーっと眺めながらの朝食は、それだけで気分がいい。特別な物ではなく、キャフェ・クレームにタルティーヌ(バターの付いたフランスパン)だけの朝食だが、これがフランスらしくて間違いなく美味しいのだ。
 朝食を終えて今日もバスで出勤!いつもあれこれリクエストを送るディーラーだが、今回はいったい何が入っているか…?楽しみでもあり、不安でもあり、ドキドキしながら向うのは毎度のことだ。

こちらが本日の朝食。河村はタルティーヌにクロワッサンとコンフィチュールをプラス。普段、コーヒーにお砂糖を入れない私ですが、キャフェ・クレームには必ず入れます。


ディーラーの所で向う途中。街角でこんな巨大猫ちゃんを発見!「なんじゃ、こりゃ〜!?」と思わず近寄ってしまいました。

 今日の目的はレースや布類、そしてリボン刺繍やロココなどのアイテム。いつも「こんなものも、あんなものも、それからこんな物も欲しい!」という私のわがままなリクエストに応えてくれる彼女、今日も挨拶を済ませ、早速商談に。私のために集めておいてくれた物が入った大きな袋からひとつひとつ取り出して見せてくれる。

 まず出てきたのはリボン刺繍の細長い綿の入ったクッション状のもの。「これは何?」という私に「ピアノの上に掛けるカバーよ。」と教えてくれる。なるほど、フランスではピアノにこんな可愛い物を掛けていたのね。以前から頼んであった繊細な雰囲気のペチコートも出てきた。今まで様々なペチコートを扱ってきたのだが、昨今、なかなか気に入った物との出会いがなかったのだ。それはギャザーではなく、襞を折りたたんだプリーツになったペチコート。薄い生地がふんわり広がるロマンティックなアイテムだ。最近見つけるのが難しいソーイングバスケットも出てきた!内側は紅とイエローのツートンカラーが美しいシルクのクッション張りになっている。他にもシャンティーの襟やデュシェスレース、そして私好みのホワイトワークアイテムが。私達にお人形のお客様が多いことを知っている彼女は、美しいシルク生地も忘れてはいない。光沢の美しい上品なブルーとデリケートな色合いの紅いシルクが出てきた。

 買付けの時の欲望は果てしない。普段はまったくといって良いほど物欲の無い私だが、こと買付けにやって来ると物欲炸裂!!手に入れても、手に入れても、まだまだ他に、まだまだどこかに何かあるのでは!?ととどまるところを知らないのだ。今日もある程度欲しい物を選んだのだが、「何か欲しい…まだ欲しい…。」とうわごとのように呟きながら付近を物色。それを呆れて見ている河村とディーラー。結局、それ以上の物は出てこず、今日はここまで。ディーラーに良くお礼を言い、次の場所へ。

ウィンドウには綺麗な模様のマーブルペーパーと様々な色の皮革のサンプル。さて、ここはなんのお店でしょう?


「お店」というよりは「倉庫」に近いここは本の装丁を請け負うお店。かつて本はすべて「仮綴じ」の状態で売られ、自分の好みに装丁していたフランスですが、21世紀の現代になってもそうした装幀のお店は健在のようです。


こうした塔のついた建物は19世中期以前の歴史的建造物。パリが現在の姿になったのは19世紀後期。当時パリ市長だったオスマン男爵大改造によるところが大きいのですが、ほんの僅かに取り壊しを免れた箇所もあり、そんな場所にはちょっぴり中世の趣が感じられます。

 一応、行く先はあるものの、あまり当てにすることなく次の場所へ向う。本日の残った時間は出来る限りパリのアンティークディーラーを回ることに。まず最初は雑貨を扱うディーラー、昔からよく知っている彼を訪ねるのだが、もう何年も彼から物を買ったことがない。ここ最近は、ひたすら「習慣」で彼の元を訪れるのだ。
 が、今日は何年か振りに見つけてしまった!それは可愛い卵形のチョコレートボックス。愛らしい小花模様のシルク張り、思わず「どうしてこんなところに!?」と自問自答してしまったが、たぶんそれはイースターの時期が近かったせいかもしれない。イースターの季節まで大切に取ってあったのかも。(この時期のフランスはそこここにイースターのウィンドウディスプレイが見られ、卵をかたどったイースターのためのチョコレートが売られている。)いつも親切なディーラーに手に取らせて貰い、状態の良いことを確認し、彼から何年振りかでいただく。そんな私なのに、いつもにこやかに対応してくれる彼に感謝。

 さらにもう一軒、コスチュームを扱うマダムの所へ。着る物が専門の彼女だが、ごくたまに可愛いベビードレスを持っていたり、思いがけず雑貨が出てきたり、シルク生地があったりするので侮れない。挨拶をして在庫をチェックさせて貰う。残念ながら今日は何も出てこない。何度も何度も改めるのだが、欲しい物は皆無。こういう事もあるのだ。マダムによくよくお礼を言って「また次回。」とお別れ。

 もう一軒当てにしていたレースのディーラーはたまにしか訪れないのだが、時間がある時は押さえておきたい場所のひとつ。が、しばらく足を運ばないうちに「アポイントメントオンリー」に。外からウィンドウを覗くと特に目を惹くものも無い。「ま、仕方ない。そんなこともあるさ。」と達観し、もう一軒。こちらもたまに足を運ぶジュエラーの所へ。そこでも結局これと言ったものは無かったのだけれど…。

ここは食器屋さんですが、この通りイースターを意識したウィンドウディスプレイ。カラフルな卵の色合いがちょっぴり不気味?

こちらも綺麗なイースターエッグがリボンで吊されたディスプレイ。羊毛(?)で作られた羊(左下がそれです。)もウサギの形のビスケットもイースターらしいですね。

 時刻はすっかり夕刻、すっかり日も暮れてきた。あちこち回った最後に前回訪れたジュエラーへ寄ることに。私達のホテルからも程近いそこは時間がある時は必ず立ち寄る場所。数は多くないが、何度か実際にここで買付けた事もある。前回の買付け最終日にも気になるダイヤのリングを見つけたのだが、買付け資金をすっかり使い果たした直後。それ以上買付けする気力もなく、「次回また来ましょ!」と未練を残しながら、後ろ髪を引かれる思いで帰ってきたのだ。

 結論から言うと…今回ここで仕入れる物は何も無かった。前回気になったリングも、その時買えなかっただけに余計に良い物として記憶に残っていたのかもしれない。実際に改めて見てみると、「あれ!?こんな物だっけ?」とすっかり当てが外れてしまった。
 当てが外れてしまったら、疲れていてもすんなりホテルに帰ることが出来ない。「もう一軒だけ!」と向った先はまた別なジュエラー。そこからまた歩いて向う。

 目的のジュエラーにたどり着く直前、ゴールドやプラチナなどの地金を買い取るショップを通る。日本の質屋に近い感覚のそこには、買い取られたジュエリーがそのまま商品としてウィンドウに飾られていたりもする。でも、アンティークのディーラーという訳ではないので、アンティークが飾られていることはまず無い。古くても50年代、あくまで「セカンドハンド」といったところだろうか。それでもそこを通る度、習慣で毎回チェックしてしまうのだが…。そうしたら、なんと、まぁ、今日はウィンドウの片隅にアンティークジュエリーが飾られているではないか!?しかも今度こそ私達の食指を動かすローズカットダイヤのアイテムふたつ。こんなこともあるのだ!
 そこはジュエリーを換金するところだけにしっかり施錠されている。早速銀行のようにドアの横のブザーを押して施錠を開けて貰い、中へ。私達が入ると共にまたガチャンと施錠される仕組みだ。ここからはまた施錠を解いて貰わなければ自由に帰ることは出来ない。私達のリクエストに応え、しっかり者のマドモアゼルが分厚いアクリル板で仕切られた向こうからジュエリーを渡してくれ、素材と年代について的確に説明してくれた。ほぼ私達が想定していたのと同じ素材と年代、ルーペを出して確認するが刻印も間違いない。しかも通常のアンティークディーラーよりもかなりお値打ち!なんてラッキーな!今日の、いや今回の買付けの集大成ともいえる買付けだった。
 お支払いをしようとすると、更に奥の分厚い扉の向こうの小部屋に通された。その小部屋でもマドモアゼルとはまたしてもアクリル板越しの取引き。アンティークディーラーとはこんな厳重な場所で取引きすることはまずない。頑丈な扉二枚の施錠を開けて貰い、外に出てきた時には思わずほっとひと息。自分達の光景がなにやらマフィアの取引現場のように思え、思わず笑ってしまった。

 ルンルンでマフィアの取引現場から出てきた私達、最後の最後に立ち寄ったもう一軒のアンティークディーラーの所では結局何も出てこず、疲れていてもルンルンのままホテルに戻った。

今日も一日よく歩きました。私達が泊まっている場所のすぐ側、アール・ヌーボーの扉が素敵なホテル。

■3月某日 晴れ
 今日は最終日。買付け中は、毎日物を探してさまよい続け、本当にあっという間に終ってしまう。今日はまず今回の目的のひとつ、装飾美術館へ衣装展を見に。"Fashioning Fashion"と名付けられたこの展示は、「1700〜1915年の2世紀にわたるファッションの変遷を辿るというもの。元々はマーティン・カマーとウォルフギャング・ルフという有名な衣装コレクターが、50年の年月と情熱をかけて集めたコレクションで、現在はロサンジェルスの郡立美術館の所蔵になっている。パリではこうした大々的なモードの展示会が二年に一度くらいの割合で開催されていて、必ず足を運ぶことにしているが、この装飾美術館の動画を見ると、傷みやすいシルクのドレスを一体一体着付けすることがとても大変で、「そりゃ、しょっちゅう開催してられないわ!」と思ってしまう。館内は撮影不可だったので、こちらの動画でご覧を。



 18世紀から20世紀初頭までのドレスや男性服が並ぶこの展示だが、私達の目を奪ったのはやはり18世紀後期の衣装、ロココの時代の物だ。19世紀のドレスもそれは素敵なのだが、手仕事感が感じられるのは断然18世紀のドレス。生地からして織り生地ではなくいちめんに刺繍(!)されていたりする。アランソンやアルジャンタンのレースがふんだんに使われているのもこの時代だ。レースは後々別な使われ方をしたため、現代ではドレスに付属していないことも多く、代わりにモスリン等で代用されていることも多いのだが、今回はしっかりオリジナルが残されていて、当時どのように使われていたかが分って興味深い。また、僅かに展示されていたレースアイテム、アルジャンテラのラペットには思わず足を止めて見入ってしまった。
 他にも男性服が100体以上展示されていたのも今回の特徴だ。18世紀の高貴な女性がお洒落だったのはもちろんだが(当時、こんな衣装を着けることが出来た女性達はお洒落以外他にすることがないし…。)、男性が同じくらいお洒落だったことも今では考えられないことだ。贅沢なメタル刺繍が施されたアビ・ア・ラ・フランセーズやジレにそうした伊達男の気概を見るようだった。

 今回の展示はフープやコルセットなど沢山の下着類が含まれていたこともひとつの特色だったが、パラソルやファンなどの小物類も興味深かった。ビーズのポシェットと一緒に展示されていたビーズのパラソル(!)に、私は「こんな物見たことない〜!」と叫び、繊細なブレード付きのポシェットに、「これ欲しい〜!買いた〜い!」と叫ぶ河村だった。

装飾美術館はルーブル美術館の隣。ルーブル美術館の横を歩きながら、新ためてこのコテコテのデコレーションに圧倒されました。


このゴールドギラギラの装飾もルーブル美術館です。今では考えられないことですが、現在ガラスのピラミッドが建っているナポレオン広場も、19世紀にはバラックがいっぱい建っていたといいます。

 豪華な展示に満ち足りた気持ちで美術館から出てきた私達。分厚いカタログもミュージアムショップで無事手に入れ、夜のフライトまではまだ時間があるので、アンティークがありそうな場所を今日も巡る。

 午後はまたもやアンティークを探してパリの街をさまようも、ディーラーが留守だったり、お店が無くなっていたり…。それこそ10年前は結構路面にもアンティークショップがあったのに、あの頃のオーナーは皆リタイヤしてしまった。結局何も見受けることは出来ず、その代わり、久し振りにパリの街をあちこち歩いて、ちょっぴり観光気分を味わったのだった。
 段々とアンティークが少なくなってきたといわれる今、それでもやっぱり美しい物を探す旅をやめられないのだ。

ここはパリ最古の家La Maison de Nicolas FLAMEL(ラ・メゾン・ドゥ・ニコラ・フラメル)。なんと1407年に作られたというから驚き!(そしてそれを今でも使っていることにも驚きです!)19世紀のオスマンの大改造をまぬがれた中世の香りのする貴重な建築です。


19世紀に作られたこのガラス絵付きの建物はブーランジェリー。田園風景の描かれたこの手のガラス絵はブーランジェリー御用達だったようです。現在こうした建物33軒がパリ市の歴史的建造物に指定されているそうです。


今回はこれにて買付け終了。あぁ、本当に買付けってすぐに終ってしまう。帰国前になると、後ろ髪を引かれる思いがします。


***今回も長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。***