極細の糸で織られた植物模様
繊細な模様に目を奪われる18世紀初期のブリュッセルのボーダー
18世紀らしい植物模様を繊細な帯状の模様で取り囲み、極小のピコットが付
けられた小枝模様のつなぎを組合わせたブリュッセルレースのボーダーです。植物模様の透けるように薄いトワル(布地)、帯状の模様には隅々まで細かな細工
が施され、その極細の糸による繊細な表現は人間業と思えないほど細かな仕事振りです。
特に植物模様を囲む帯状の細工や植物模様をじっくり眺めると、ボビンによる様々な種類の緻密な表現を見ることが出来、飽きることがありません。小枝模様の
つなぎにも愛らしい小花模様が組み合わされていて、小枝模様に付けられた極小のピコットもすべてボビンの技法によるもの。トワルの部分の透けるような質感
からも、ごく細い糸が使われたことが分ります。約300年前の当時、こうした繊細なレースを織ることが出来る優秀なレース職人がいたことはもちろんです
が、そのレースに使うための極細の糸を撚ることが出来る職人も存在したということでしょう。(当時、レース糸に使われていた麻の繊維ですが、その麻の品種
が絶滅してしまったため、現在では存在しません。)
この時代のレースらしく、パターンによる繰返しの柄でない点も興味深く、具体的な模様でないことから、当時の人々が何を表現しようとしたのか想像力を掻き
立てられます。また、こちらのボーダーは、両端が切れ端ではなくきちんと始末されている点も特徴です。18世紀前半のレースがこんなに良い状態で出てくる
ことは非常に稀なことです。古いレースがお好きな方におすすめ、古いレース特有の味わい深いレースです。とにかくルーペでじっくり眺めていただきたい、そ
んなレースです。
19世紀よりも前のレースがお好きな方におすすめ、18世紀のレースは最近ぐっと貴重になってきています。ご希望の方には額装も承りますのでお気軽にご相談下さい。
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