亡き母を偲ぶメモリアルなジョージアンリング
石の色を引き立たてるクローズドセッティング、四角いカボションのガーネットにフォイルバック(石の裏側に薄い金属片や箔を入れて石を輝かせること。)を施し、その周りをシードパールで取り巻いた典型的なジョージアンスタイルのリングです。
まだ電気がなかったジョージアンの時代、灯りといえばキャンドルの灯りしかありませんでした。そういう環境の中で、当時、石の輝きよりも石の色合いを見せ
ることに重点が置かれ、こうしたクローズドセッティング、さらにフォイルバックを施したしたジュエリーが数多く作られました。
このリングはシャンクの部分にもハンドメイドの繊細なお花の装飾が施されジョージアンならではの雰囲気。通常のこのタイプのジョージアンリングと比べて、
愛らしくやや小振りな点が特徴であり、透かしの細工からも華奢な印象が魅力となっています。
そして、特筆すべきはベゼルの裏側に彫り込まれた文字。“Mary
Keen of March 17 1836 at
68”の文字が彫刻されており、これは1836年3月17日に68歳で亡くなったMary
Keenさんを偲ぶリングで、元々は彼女の持ち物だったこのリングを、彼女の娘などの身内が受け継いだものと思われます。ですからリング自体は1836年
に作られたものではなく、それ以前に作られたもの。そうしたストーリー性もアンティークならではの興味深いリングだと思います。大変良好な状態です。
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