舞踏会の豪華な小道具、貴婦人のためのカルネ・ド・バル
繊細な彫刻が施された美しい質感、マザーオブパールをいちめんに張ったケース形の“Carnet
de Bal
(カルネ・ド・バル)”、舞踏会の手帖です。マザーオブパールの素材感とデリケートな雰囲気が特徴、出来ることなら是非実際に手に取ってご覧いただきたい繊細なアイテムです。
表面はタンバリンやトランペットが組み合わされた楽器柄と“Souvenir(記念)”の彫刻、裏面は蝶々の飛ぶ薔薇などの花々と“D'amitie(友
情)の彫刻が施されていることから、このカルネ・ド・バルは文字通り友情の記念に誰かから誰かへ送られた物だったのかもしれません。19世紀当時、楽器の
柄は「調和」を表し、お花の模様は「豊穣」を意味しており、いわゆる吉祥模様で飾られた美しいカルネ・ド・バルです。また、両面だけではなく側面にもびっ
しりロココ模様の彫刻が施されている点にも注目です。
本体とふたをつなぐ蝶番や金具部分はシルバー製、内側はメモ用紙代わりの薄い板状のアイボリーとアイボリー製の飾りの付いた鉛筆が収められています。文字
を書き込むメモ帳部分が薄いアイボリーの板というところが現代の私達では考えの及ばないところで、文字を消すためにはセーム革が使われたようです。
こうした凝った細工の舞踏会の手帳は、舞踏会で踊る順番や、逢い引きの予定などを書きこんだ当時の淑女の恋愛の小道具。裾の周囲が5〜6m程のドレスが一
番ゴージャスだった時代、シルクやレース、リボンがふんだんに使われた豪華な衣装に身を包み、沢山の宝飾品を身に着けた舞踏会で手にされる物だけに、衣装
に合わせた豪華な細工が特徴で、当時の貴族階級の富を感じていただくことが出来るアイテムです。
淑女の秘密が書き込まれたチャーミングな小物、「持っているだけで嬉しい」そんなアイテムのひとつだと思います。板状のアイボリーに僅かな歪みがある他は大変良好な状態です。
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