フレンチテキスタイルのバッグ

 こういうお仕事をしていると、お客様からは、自分のコレクションも沢山持っていると思われがちですが、私たちアンティークディーラーの多くは逆に、商品以外のコレクションを所有していることは少ない、といっても過言ではありません。かくいう私も、そのひとりで、自宅においてあるアンティークは皆無といってよいほど。お客様の前に出る仕事柄、ジュエリーなど身に付ける物はいくつか持っていますが、それ以外は「まったく」といってよいほど何も持っていないのです。今回は、そんな私がお気に入りでこの夏を過ごした、フレンチテキスタイルのバッグをご紹介したいと思います。

 このバッグ、実はフェアに来てくださったおなじみのお客様が、あまりにも可愛いバッグを持っていらして、「可愛いバッグですね。」と声をお掛けしたのが始まりでした。自分でも沢山のフランスのテキスタイルを扱っているものの、要領の悪い私のこと、とても自分のバッグを作っている余裕などなく「どなたか私の代わりにバッグを作ってくださる方がいらっしゃらないかしら?」と常々思っていたところ、アンティークの布でオーダーを受けてくださる方がいらっしゃることをお教えいただき、オーダーをお願いしました。
  そうしたら、なんと!ご紹介いただいた方は、偶然にもやはり顔なじみのお客様だったではありませんか!?びっくりするやら、嬉しくなってしまうやら、すっかり安心して、お願いしたことは、いうまでもありません。早速出来上がってきたバッグを、アンティークのレースやコサージュで飾り、この夏は大活躍してくれました。

 この布地、いっとき通販ページにも掲載しておりましたので、ひょっとして見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。普段黒いお洋服を着ることが多い私にとっては、大変持ちやすく、レースやコサージュをはずして、代わりにピコットのついたアンティークのリボンを結んだり、楽しんで使っています。

 私自身は、自分で作ることは出来ませんでしたが、アンティークのテキスタイルをこのようにお使いいただくのも、楽しみのひとつではないでしょうか。