永遠のモチーフ「バラ」

さまざまな種類のバラ。
特にブルー系で香りの高い「ブルーリバー」がお気に入りです。

 バラのお好きな方は、たくさんいらっしゃるかと思いますが、私にとっても、バラのお花は、格別 な思いがあるお花です。もともと祖父が、趣味で庭にバラ園を作っていて、子供の頃からたくさんのバラに囲まれて育ちました。祖父が亡き今は、父がその趣味を受け継いで、今ではオールドローズ,モダンローズ合わせて、約150種類のバラが庭に植わっています。

 父が丹精こめて作ったバラの花々は、きれいに整ってはいなくとも一輪一輪個性的で、さまざまな表情をしています。また、露地栽培のものは、温室栽培のもよりも香りが豊かで、初夏の夕方、家の窓を開けると夕凪の風が甘いバラの香りを運んできて、幸せな優しい気持ちにさせられます。

 特にイギリスアンティークの中には、バラをモチーフにした物が多く見られます。もともとイギリスは、バラを国花としているだけあって、王族の名前をとったバラはもちろん、ポール・マッカトニーやエルトン・ジョンの名前をとったバラなどまでありますが、なによりシーズンには、どこのお家のどんな小さな庭にもバラの花が咲いていて、イギリス人にとっては、ごく馴染み深い花なのです。 きっとそんなところから来るのでしょう。陶磁器に描かれたバラのお花はもちろん、ジュエリーやレースなどもバラをモチーフにした物のなんと多いことか。もちろんカード類を例にとっても、他の花よりもバラをモチーフにした物が格別 に多く、どんなに昔からこの花が多くの人に愛されてきたかがわかります。
 同様に、ベルギーの画家・ルドゥテの「バラの図譜」のオールドローズの数々は、なんと1700年代にナポレオンの后ジョゼフィーヌの命によって描かれたものですが、現代でも私たちを魅了してやみません。

 バラのシーズン中に開催するアンティークフェアでは、父の作ったバラを会場に飾ってご来場をお待ちしております。どうぞ、そちらの方もお楽しみに。